Highlights

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Journal of Epidemiology


Volume 27, Issue 7 (July 2017)

1) Difference of stage at cancer diagnosis by socioeconomic status for four target cancers of the National Cancer Screening Program in Korea: Results from the Gwangju and Jeonnam cancer registries
● 経済状況が悪い患者ほどステージの進んだがんが多かった。
● SESとステージの関係は胃がん、大腸がん、乳がんでみられた。
● 韓国の全国がん検診プログラム(National cancer Screening Program)が始まった後でも、これらの格差が確認された。

2) Smoking and subsequent risk of leukemia in Japan: The Japan Public Health Center-based Prospective Study
● 日本人集団における喫煙と白血病(AML、CML、ALL)罹患の関連を多目的コホート研究(JPHC study)において検討した。その関連をコホート研究において検討した報告はこれまでにはなく、本邦初である。
● パックイヤー30以上の喫煙歴のある現喫煙者は、非喫煙者の男性と比べて、統計学的に有意にAMLリスクが上昇しており(HR:2.22, 95%CI:1.01-4.84)、喫煙が日本人男性においてAMLリスクを上昇させることが示された。
● 女性における喫煙とAMLとの関連や、喫煙とCML、ALLとの関連については、大規模な研究による検証が必要と考えられる。

3) Coexisting infectious diseases on admission as a risk factor for mechanical ventilation in patients with Guillain–Barre syndrome
● 本研究の対象は,ギラン-バレー症候群と診断された4,132人の入院患者であった。
● データは,DPCデータベースより抽出された。
● 入院時併存症と人工呼吸器装着との関連性が検証された。
● サイトメガロウィルスおよび単純ヘルぺスウィルス感染症が,人工呼吸器装着と有意な関連を認めた。

4) Timeliness and completeness of measles vaccination among children in rural areas of Guangxi, China: A stratified three-stage cluster survey
● 麻疹予防接種の接種率、さらに適切な時期の接種率は低かった。
● 広西壮族自治区の子どもにおいては、麻疹予防接種が遅れる期間が長かった。
● 麻疹発生率が高い地域では、不適切な時期の接種が多かった。

5) Body mass index and stroke incidence in Japanese community residents: The Jichi Medical School (JMS) Cohort Study
● 地域住民を対象としてbody mass index(BMI)と脳卒中の罹患との関連を検討する疫学研究で行われてきたが、さまざまな結果が得られている。
● 本大規模コホート研究は、わが国の地域住民を対象にBMIと脳卒中の罹患との関連を検討した。
● 男性ではBMIの低値が全脳卒中と脳梗塞の罹患のリスクを有意に上昇させた一方で、女性ではBMI高値が全脳卒中の罹患のリスクを有意に上昇させた。

6) Comparison of weighed food record procedures for the reference methods in two validation studies of food frequency questionnaires
● 独立して実施した二つの研究において、秤量食事記録法の手順を比較した。
● 食事記録の一般的な手順は両研究で概ね同一であった。
● 調査日の設定と調査用紙に違いがあった。
● 調査日の設定の違いによる、個人内個人間変動への影響はなかった。
● 調査用紙の違いによる、ポーションサイズへの影響はなかった。

7) Self-perception of weight status and its association with weight-related knowledge, attitudes, and behaviors among Chinese children in Guangzhou
● 中国広州の子どもの3分の1以上が自己の体重に関する間違った認識を持っていた。
● 体重の過小評価は過大評価よりもその割合が多かった。
● 過小評価は年少の子ども、女子、そして両親が肥満の場合に多かった。
● 過体重や過小体重の認識を持つ子どもは体重を変えようとする意志が高かった。
● 適正体重と認識する子どもは、ある種の行動においてはより健康的にふるまっていた。

Volume 27, Issue 6 (June 2017)

1) Review Article
Factors affecting sustainable iodine deficiency elimination in Pakistan: A global perspective
● 1880年以降、56の研究が、甲状腺腫もしくはヨード欠乏症の有病割合について報告しており、58.9%が、甲状腺腫もしくは、ヨード欠乏症の有病割合を30%以上と報告している。
● 1994年以前の研究のうちの75%が甲状腺腫もしくはヨード欠乏症の有病割合が30%以上であると報告している。
● 1994年以降に実施された研究では、その32.1%の研究において、甲状腺腫もしくはヨード欠乏症の有病割合が30%以上であると報告されている。

2) Suicide rates across income levels: Retrospective cohort data on 1 million participants collected between 2003 and 2013 in South Korea
● 所得レベルが低いほど自殺は多くなる傾向であった。
● 自殺はメディケイドの患者に最も多かった。
● 自殺は性別・年代によって異なる傾向を示した。

3) Growth charts for Brazilian children with Down syndrome: Birth to 20 years of age
● ブラジル人のダウン症児(0-20歳)について、成長曲線を作成した。
● ブラジル人のダウン症児には、明らかな発育遅滞が認められた。
● ダウン症児の発育には、国レベルでの違いが存在した。

4) Infectious diarrheal disease caused by contaminated well water in Chinese schools: A systematic review and meta-analysis
● 中国では、学童が病原微生物に汚染された水を直接摂取することを原因とする感染症の脅威にさらされている。
● waterborne diseaseの発生率は、都市より地方、セカンダリースクールよりプライマリースクールにおいてい高かった。
● 男子が女子に比べwaterborne diseaseのリスクが高かった。
● 井戸の不衛生な状況がしばしば報告されていた。

5) Prevalence of abdominal obesity among Chinese adults in 2011
● 2011年における中国の平均腹囲は、男性85.9センチメートル、女性80.7センチメートルであった。
● 2011年におけう腹部肥満の有病率は、男性35.3%、女性51.7%であった。
● 中国での有病率は、日本や米国より、それぞれ低かった。

6) Living status and frequency of eating out-of-home foods in relation to nutritional adequacy in 4,017 Japanese female dietetic students aged 18–20 years: A multicenter cross-sectional study
● 家族と同居している若年女性では目標量を満たしていない栄養素の数が高値を示した。
● 家族と同居している若年女性では外食頻度の増加に伴い目標量を満たしていない栄養素の数が増加した。
● 独居の若年女性では推定平均必要量に達していない栄養素の数が高値を示した。
● 独居の若年女性では外食頻度と充足栄養素数の間に関連は認められなかった。

7) Short Communication
Sources of heterogeneity in studies of the BMI-mortality association
● BMIと死亡の関連はコホートごとにかなり異なる。
● コホートの異質性の36%は人種により説明される。
● 年齢と追跡期間が残りの異質性の56%を説明する。

Volume 27, Issue 5 (May 2017)

1) Validation of a food frequency questionnaire for Japanese pregnant women with and without nausea and vomiting in early pregnancy
● 今回我々は日本人妊婦を対象としたFFQの妥当性を証明した。
● このFFQは妊娠初期における栄養摂取を推定した。
● このFFQはつわりがあっても、妥当であった。

2) Personal status of general health checkups and medical expenditure: A large-scale community-based retrospective cohort study
● 本研究は、日本中高年住民の健診頻度と医療費との関連を検討するため、後ろ向きコホート研究を行った。
● 6年間の受診有無から受診なし者、低頻度受診者、と高頻度受診者分け、その後の3年間の医療費をTweedie分布の一般化線形モデルより分析した。
● その結果、受診頻度が高いほど入院外医療費が高く、入院および総医療費が低かった。

3) Association of IL4, IL13, and IL4R polymorphisms with gastrointestinal cancer risk: A meta-analysis
● 27件のケース・コントロール研究によるメタアナリシスである。
● IL4遺伝子のrs2070874のTアレルは、消化管がんのリスクを増大させるかもしれない。
● IL4R遺伝子のrs1801275の変異型は、消化管がんのリスクを減少させるかもしれない。
● IL4遺伝子とIL4R遺伝子の多型は消化管がんの発がん感受性に影響するかもしれない。

4) Development of an instrument for community-level health related social capital among Japanese older people: The JAGES Project
● 多くの先行研究ではソーシャル・キャピタルの多次元的な側面を測定できておらず、尺度の信頼性および妥当性に関する検討も不十分といえる。
● 本研究では、ソーシャル・キャピタル関連変数を多数含んだ高齢者調査データに基づいて、53の候補指標から11の健康関連ソーシャル・キャピタル指標を開発した。
● 本指標は、市民参加・社会的連帯・互酬性と命名できる3次元で構成された。市民参加に関しては個人の健康度とも密接に関連することが確認された。

5) Gender differences in the associations between urinary bisphenol A and body composition among American children: The National Health and Nutrition Examination Survey, 2003–2006
● 米国の子どもにおける尿中のBPAと体組成との関連を調べた。
● その関連において、性差がみられた。
● 男子において、尿中BPAレベルはやせと関連していた。女子ではその関連はなかった。
● 女子において、尿中BPAレベルは体脂肪量と関連していた。男子ではその関連はなかった。

6) A population-based cohort study suggests an increased risk of multiple sclerosis incidence in patients with type 2 diabetes mellitus
● 2型糖尿病患者の多発性硬化症発症リスクは対照群の1.44倍であった。
● 他の性年齢階級と比べ50歳未満女性で多発性硬化症のハザード比が最大であった。
● 2型糖尿病の多発性硬化症の集団寄与危険度割合は2.55%と推定された。

7) Short Communication
Validity and reliability of a self-administered food frequency questionnaire for the JPHC study: The assessment of amino acid intake
● 2010年に日本のアミノ酸成分表が改訂された。
● 食物摂取頻度調査票におけるアミノ酸摂取量の妥当性と再現性を評価した。
● 新しいデータベースを用いて評価したアミノ酸摂取量は,旧データベースを用いた摂取量より良い妥当性がみたれた。
● アミノ酸摂取量推定のための食物摂取頻度調査票の再現性は良かった。

Volume 27, Issue 4 (April 2017)

1) BMI, reproductive factors, and breast cancer molecular subtypes: A case-control study and meta-analysis
● 東アジアの女性において、肥満はルミナルタイプとエストロゲン及びプロゲステロン受容体陰性乳がんのリスクを増加させる。
● 東アジアの女性において、早い初経年齢はルミナルタイプのリスクを増加させる。
● 東アジアの女性において、未経産はルミナルタイプのリスクを増加させる。

2) Fruit and vegetable intake and the risk of overall cancer in Japanese: A pooled analysis of population-based cohort studies
● 日本の大規模コホート研究を用いて統合解析を行った。
● 日本人男女191,519人から17,681人ががんに罹患した。
● 野菜・果物摂取とがん全体の罹患リスクとの関連は見られなかった。

3) Handling missing Mini-Mental State Examination (MMSE) values: Results from a cross-sectional long-term-care study
● Mini-Mental State Examination(MMSE老人の認知機能テスト)は完全にランダムな欠損(MCAR)ではなかった。
● 欠損値の補完の最適な方法は回帰分析をするか記述をするかで異なる。
● ゴールドスタンダードであるアイテムレベルの多重代入法で得られた結果とおおむね近い値を示した方法がいくつかあった。

4) Availability of two self-administered diet history questionnaires for pregnant Japanese women: A validation study using 24-hour urinary markers
● 自記式食事歴法質問票(DHQ)および簡易版自記式食事歴法質問票(BDHQ)は、たんぱく質・ナトリウム・カリウムのエネルギー調整済摂取量を評価することが可能である。
● 自記式食事歴法質問票(DHQ)は、妊娠中のエネルギー摂取量を推定するために有用なツールである。
● 簡易版自記式食事歴法質問票(BDHQ)では、妊娠中のエネルギー摂取量を推定することは難しい。

5) Effect of evacuation on liver function after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident: The Fukushima Health Management Survey
● 東日本大震災後、肝機能障害の頻度は増加した。
● 肝機能障害の頻度は、非避難者に比べ避難者で有意に高かった。
● 避難生活は、肝機能障害新規発症の危険因子の一つである。

6) Educational inequalities in smoking among Japanese adults aged 25–94 years: Nationally representative sex- and age-specific statistics
● 日本における喫煙の学歴格差は、高齢層よりも若年層で大きかった。
● 男女ともに学歴が中卒の者で最も喫煙率が高く、学歴が大学院卒の者で最も低かった。
● 学歴による喫煙率の格差は、男性より女性において急峻であった。

7) Study Profile
Rationale, design, and profile of the Three-Prefecture Cohort in Japan: A 15-year follow-up
● 三府県コホートは都市と田舎に在住した約10万人の健常者を対象者とした。
● 三府県コホートは職業分類などの詳細な生活習慣を自記式アンケートで調査した。
● 三府県コホートは対象者のがん罹患ならびに死亡原因の情報を収集した。

Volume 27, Issue 3 (March 2017)

1) Editorial
Why we should worry less about predatory publishers and more about the quality of research and training at our academic institutions
● ハゲタカジャーナル(predatory journals)は査読を行っていると主張しているが、実際は全ての投稿論文を出版している。
● ハゲタカジャーナルで出版される論文の殆どは質が低い。
● 研究者はハゲタカジャーナルとちゃんとしたジャーナルの区別ができるように訓練を受ける必要がある。
● ハゲタカジャーナルの隆盛の背景には、研究機関の問題が存在。
● 研究の質や研究に対するトレーニングを向上させる努力が必要である。

2) Dietary antioxidant vitamins intake and mortality: A report from two cohort studies of Chinese adults in Shanghai
● 食事からのビタミンC、カロテン摂取は、中国において全死亡と逆の関連があった。
● これらの関連は、循環器疾患による死亡においてより顕著であった。
● 食事から摂取する抗酸化作用を有するビタミン群は、がん死亡リスクと関連していなかった。

3) Initiators and promoters for the occurrence of screen-detected breast cancer and the progression to clinically-detected interval breast cancer
● 状況依存的な乳がんのイニシエーターとプロモーターを同定。
● 個人のリスク層化のための多段階リスクアセスメントモデルを構築。
● 個人のリスクに応じた検診や臨床経過観察を促進。

4) The association between alcohol use and problematic internet use: A large-scale nationwide cross-sectional study of adolescents in Japan
● 日本の青少年における飲酒行動とインターネット依存・過剰使用の関係について調査した。
● 日本全国から無作為抽出した10万人規模の中高校生を対象に自記式質問票調査を実施した。
● 多変量解析により,青少年の飲酒行動と,問題と思われるインターネット使用との間に有意な関係を認めた。

5) Maternal smoking during pregnancy and rapid weight gain from birth to early infancy
● 妊娠中の母親の喫煙と乳児期初期の急激な体重増加に関連が認められた。
● この関連には、量反応関係が認められた。
● 本研究は、日本のポピュレーションベースのデータセットに基づくものである。

6) Clinical characteristics and outcomes of myxedema coma: Analysis of a national inpatient database in Japan
● 粘液水腫性昏睡の患者において、3分の2が女性であり、平均年齢は77歳であった。
● 死亡率は29.5%であり、推定発症頻度は1.08/100万人/年であった。
● 高齢と、カテコラミンの単独使用もしくはカテコラミンとステロイドの併用が死亡と関連していた。

7) Age-specific impact of diabetes mellitus on the risk of cardiovascular mortality: An overview from the evidence for Cardiovascular Prevention from Observational Cohorts in the Japan Research Group (EPOCH-JAPAN)
● 本研究は、わが国の8つの既存のコホート研究の個人レベルデータを用いたメタ解析である(対象者38,854人)。
● この研究では、日本人において糖尿病は心血管病死亡のリスクを上昇させることを明らかにした。
● 年齢階級別にみると、中年期から老年期のいずれの年代でも、糖尿病が心血管病死亡に与える影響は同程度であった。

8) Short Communication
Metabolic syndrome among non-obese adults in the teaching profession in Melaka, Malaysia
● 肥満していないマレーシア人教師におけるメンタボリックシンドローム有病率は17.7%であった。
● メタボリックシンドロームのオッズ比はBMIが23.0 kg/m2から急激に増加していた。
● 肥満していないメタボリックシンドローム有病者(MONO)は男性・インド系マレー人・高齢者に多かった。

9) Study Profile
Design of the health examination survey on early childhood physical growth in the Great East Japan Earthquake affected areas
● 我々は、東日本大震災被災地の子どもの身体発育状況に関する調査を実施した。
● 就学前の子どもの身体発育指標となる大規模な経時的測定データを自治体の乳幼児健診情報より収集した。
● 東日本大震災後の身体発育状況等子どもの健康に関する疫学的根拠を示してゆく。

Volume 27, Issue 3, Supplement (March 2017)

1) Preface
BioBank Japan project: Epidemiological study
● プレシジョン・メディスンの実現のためには、遺伝情報・臨床情報・環境情報が重要である。
● バイオバンク・ジャパンプロジェクト(別名:オーダーメイド医療実現化プロジェクト)は、20万人の患者の臨床データベースを構築した。
● この別冊は、バイオバンク・ジャパンに構築された臨床データベースを用いた疫学研究14報を報告する。

2) Overview of the BioBank Japan Project: Study design and profile
● バイオバンク・ジャパン(BBJ)には、47の対象疾患の罹患者20万人が登録された。
● BBJは、世界最大の患者ベースのバイオバンクの一つである。
● BBJは今後、個別化医療の実現に資するだろう。

3) Cross-sectional analysis of BioBank Japan clinical data: A large cohort of 200,000 patients with 47 common diseases
● バイオバンク・ジャパンプロジェクトにおいて登録時より毎年臨床情報を収集した
● 初回登録時臨床情報の解析によりバイオバンク・ジャパン登録患者の特性を明らかにした
● 家族歴の解析により各疾患の遺伝的素因への影響を明らかにした

4) Overview of BioBank Japan follow-up data in 32 diseases
● 32疾患で登録された141,612名について追跡生存調査を実施した
● 追跡調査対象者の初回登録時の特性を明らかにした
● 32疾患の中で膵がんの相対生存率が最低であった
● 追跡調査対象者の原死因は悪性腫瘍が最多であった

5) Demographic and lifestyle factors and survival among patients with esophageal and gastric cancer: The Biobank Japan Project
● 飲酒歴のある食道扁平上皮がん患者は、予後不良だった。
● 低体重の胃がん患者は、予後不良だった。
● 運動習慣がある胃がん患者は、良好な予後を示した。
● 食道扁平上皮がん患者ならびに胃がん患者の予後と喫煙歴との関連は認めなかった。

6) Characteristics and prognosis of Japanese colorectal cancer patients: The BioBank Japan Project
● BBJに登録された結腸がん、直腸がん患者の95%以上が腺がんであった。
● 直腸がん患者は結腸がん患者よりも肉の摂取量は多く、野菜の摂取量は少なかった。
● 野菜を食べ、適度に飲酒することは、大腸がん患者の死亡リスクを低下させていた。

7) Characteristics of patients with liver cancer in the BioBank Japan project
● 肝臓がんは、世界におけるがん死因の第2位を占める。
● 本報告は、BBJに登録された肝臓がん患者の基本属性を概観することを目的とする。
● 肝臓がんの91.9%は、肝細胞がんであった。
● 本研究における肝臓がんの10年相対生存率は、男性で34%、女性で38%であった。
● BBJをベースとした今後の研究は、肝臓がん予防プログラム開発の一助となることが期待される。

8) Characteristics and prognosis of Japanese male and female lung cancer patients: The BioBank Japan Project
● 日本人肺がん患者のほぼ10人に1人はステージⅣと診断されていた。
● 男女とも、腺がんはもっともよくある組織型であった。
● 肺がん患者において、患者特性の中のあるものは総死亡に影響を及ぼしていた。

9) Characteristics and prognosis of Japanese female breast cancer patients: The BioBank Japan project
● 日本人女性乳がん患者の約1%はステージⅣと診断されていた。
● 浸潤がんは非浸潤がんよりもはるかに多かった。
● 乳頭線管がんが浸潤がんの中でもっともよくある組織型であった。
● 乳がん患者の約75%はエストロゲン受容体陽性、約60%はプロゲステロン受容体陽性であった。
● 乳がん患者において、患者特性の中のあるものは総死亡に影響を及ぼしていた。

10) Clinical and histopathological characteristics of patients with prostate cancer in the BioBank Japan project
● 前立腺がんは、世界におけるがん罹患の第2位を占める。
● 本報告は、BBJに登録された前立腺がん患者の基本属性を概観する。
● 前立腺がんの99.3%は腺がんであった。
● 本研究における前立腺がんの5年相対生存率および10年相対生存率はそれぞれ、96.3%、100.5%であった。
● BBJをベースとした今後の研究は、前立腺がん予防プログラム開発の一助となることが期待される。

11) Risk prediction models for mortality in patients with cardiovascular disease: The BioBank Japan project
● 心血管病慢性期患者を対象とした死亡リスクの予測モデルを開発し,その予測能を独立した集団で検証した。
● このモデルは心血管病慢性期患者における死亡リスクの推定に有用と考えられる。

12) Cholesterol levels of Japanese dyslipidaemic patients with various comorbidities: BioBank Japan
● 日本人脂質異常症患者の血清コレステロールコントロール状況についてのエビデンスは少ない。
● この研究では、病院にかかる多数の患者データを解析した。
● この研究から、様々なリスクを抱える患者毎の血清コレステロール値が分かった。
● 若年層の患者で最も血清脂質値は低かった。
● 軽症高脂血症患者にこの結果を適用するには注意が必要である。

13) Statin use and all-cause and cancer mortality: BioBank Japan cohort
● スタチン服用によりLDLコレステロール値を下げれば、死亡率を低下させることができる。
● スタチン以外の抗高脂血症薬が死亡率を下げているかについての報告は少ない。
● がんによる死亡率という観点で見れば、スタチン単剤服用は問題がない。
● スタチン服用は大腸がんによる死亡を減らしているかもしれない。
● レジンを単剤で服用している患者の死亡率は最も低かった。

14) Serum glucose, cholesterol and blood pressure levels in Japanese type 1 and 2 diabetic patients: BioBank Japan
● 糖尿病患者の詳しい血糖コントロール状況を知ることは診療上必要である。
● 1型糖尿病と2型糖尿病の生存時間を比べた研究はほとんど無い。
● 1型糖尿病で2型糖尿病より高いHbA1c値が観察された。
● 2型糖尿病に比べて1型糖尿病でより大きい死亡ハザード比がみられた。
● 2型糖尿病は1型糖尿病に比べて高い割合で大血管合併症を伴っていた。

15) Survival of macrovascular disease, chronic kidney disease, chronic respiratory disease, cancer and smoking in patients with type 2 diabetes: BioBank Japan cohort
● 糖尿病にはしばしば致死的な疾病が伴う。
● アジア人型糖尿病患者が共存症を持つことについての生存時間解析報告はほとんど無い。
● 糖尿病患者の共存症の中で、慢性腎疾患が最も大きい死亡率と関連していた。
● 現在喫煙していることは、10歳多く年齢を重ねていることと同等の死亡リスクとなっていた。
● HbA1cが1%高いこと、また収縮期血圧が10 mm Hg高いことは、11%の死亡率増加と関連していた。

Volume 27, Issue 2 (February 2017)

1) Review Article
A typology of four notions of confounding in epidemiology

● 交絡は標的集団に依存するだけではなく,交絡自体の四つの観念にも依存する。
● 標的集団として全集団を用いることは有用である。
● 単純な例は,複雑な因果概念を理解するうえで強力な道具となり得る。

2) Change in household income and risk for attention deficit hyperactivity disorder during childhood: A nationwide population-based cohort study
● 小児の注意欠陥障害:attention deficit hyperactivity disorder (ADHD) の有病割合は社会的に不利な集団で高いことを示している。
● 本研究では小児期の所得の推移とADHDの発症との関連について調べた。
● 所得が低水準の世帯でADHDの発症が多く観察された。

3) Association between serum concentrations of persistent organic pollutants and smoking in Koreans: A cross-sectional study
● 女性では、血清中のポリ塩化ビフェニルレベルは、非喫煙者に比べて喫煙経験 者で高かった。
● 高レベルの残留性有機汚染物質(POPs)濃度を呈するリスクは、非喫煙者に比べ て喫煙経験者で高かった。
● 男性では、高レベルのPOPs濃度を呈するリスクは、非喫煙者に比べて1日15本 未満の現在喫煙者で高かった。

4) Is there an occupational status gradient in the development of periodontal disease in Japanese workers? A 5-year prospective cohort study
● 職業階層と歯周病発症の関連を検討した初めてのコホート研究。
● 職業階層が、5年後の歯周病の発症に影響を与えることを明らかにした。
● 技術職、販売従事職や運輸・通信従事者が歯周病発症のリスクが高かった。

5) Orthopedic, ophthalmic, and psychiatric diseases primarily affect activity limitation for Japanese males and females: Based on the Comprehensive Survey of Living Conditions
● 日本における健康寿命は、活動制限割合と死亡率を用いて算出している。
● 我々は、活動制限割合と各種疾病の罹患率のオッズ比と人口寄与危険割合を算出した。
● その結果、整形・眼・精神疾患が活動制限割合に強く影響することが分かった。

6) Measuring health literacy in Asia: Validation of the HLS-EU-Q47 survey tool in six Asian countries
● 包括的なヘルスリテラシーに関する調査ツールの妥当性が、アジア数カ国で検証された。
● ヘルスリテラシーは、教育レベルや社会階層と有意に関連していた。
● アジアの公衆衛生調査において、本ツールは信頼性を有することが示された。

Volume 27, Issue 1 (January 2017)

1) Progression from prehypertension to hypertensi non and risk of cardiovascular disease
我々は、地域住民の心血管イベントを追跡した自治医科大学コホート研究の対象者のうち、追跡血圧を測定した2,227名について検討した。
前高血圧症から高血圧症に移行した対象者は移行しなかった対象者に対して、2.95倍の心血管イベントリスクの上昇を認めた。
本研究において、イベント発症数が少ないため限界はあるももの、前高血圧症は高血圧に移行することにより心血管イベント発症のリスクが高くなることが示唆された。

2) Evacuation after the Great East Japan Earthquake was associated with poor dietary intake: The Fukushima Health Management Survey
● 震災後、避難生活は質の悪い食事と関連していた。
● 自宅に住んでいる者は野菜および果物(ジュース以外)の摂取頻度が高かった。
● 自宅に住んでいる者は肉、豆製品および乳製品の摂取頻度が高かった。

3) Validation of a novel claims-based stroke severity index in patients with intracerebral hemorrhage
● 保険償還のデータには 脳出血後の発生アウトカムに対する重要な予測因子である脳卒中の重症度がない。
● 保険償還データに基づいた脳卒中の重症度指数は、脳出血の重症度とよく相関する。
● 保険償還データを使用した脳出血の研究でリスク調査を行う際、脳卒中の重症 度指数は妥当である。

4) Validity of a food frequency questionnaire to estimate long-chain polyunsaturated fatty acid intake among Japanese women in early and late pregnancy
● 妊娠初期、後期とも FFQ による LC-PUFA 推定摂取量には高い妥当性が検証された。
● 食事記録調査によって推定された EPA,DHA 摂取と高い相関を示した。
● 血清リン脂質中の EPA,DHA 値と高い相関を示した。

5) Green tea consumption and cause-specific mortality: Results from two prospective cohort studies in China
● 中国において、緑茶摂取が全死亡リスクと逆相関を示した。
● この逆相関は、主に循環器疾患死亡によるものであった。
● 緑茶摂取とがん死亡との間には有意な関連がみられなかった。

6) Independent and combined relationship of habitual unhealthy eating behaviors with depressive symptoms: A prospective study
● 夕食後の間食習慣は抑うつ傾向と関連した。
● 抑うつ傾向に対して夕食後の間食と就寝前の食事には交互作用が認められた。
● 2つ以上の不健全な食事行動をもつ対象者は抑うつ傾向のリスクが高かった。

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