日本語版Highlights
Volume 36, Issue 1-3 (2026)
Issue 3 (March 2026)
Issue 2 (February 2026)
Issue 1 (January 2026)
Volume 36, Issue 3 (March 2026)
- 2023年、ユニセフとWHOの合同チームが「small vulnerable newborns (SVNs)」という新たな分類を提唱した。これは早産児とSGA児の両者を含む概念である。
- 1997年から2021年にかけての本邦におけるSVNsおよびそのサブグループ(正期産SGA、早産SGA、早産non-SGA)の割合の推移について人口動態統計を用いて分析した。
- SVNsは、1997年の7.8%から2005年にかけて8.7%まで上昇したが、その後は減少傾向を示し、2021年には7.7%となった。
- 2005年以降のSVNsの低下は、主に正期産SGA児の減少によるものであった。
- 一方で、早産児の割合は依然として高水準で推移しており、早産の予防に向けた包括的な対策が求められる。
- 本研究では余暇に加え、仕事、移動、家事の際の中高強度身体活動 (総MVPA) を測定した。
- 女性では総MVPAと全がんとの間に負の関連を認めたが、男性では明らかな関連はなかった。
- 総MVPAは男性では結腸がんと、女性では膀胱がんおよび子宮体がんとの間に負の関連を認めた。
- 医療従事者における新型コロナウイルス感染(累積感染および未診断感染)に関するパンデミック期間を通じた疫学データが不足している。
- 本研究は、日本の医療従事者を対象とした多施設血清調査から得られた最新の結果を提供する。
- 累積感染率はオミクロン株出現後に急増した一方で、未診断感染の割合はパンデミックにおいて減少した。
- 職業では医師・看護師、年齢では50歳未満において累積感染率が高かった。
Short Communication
Association Between Older Drivers’ Signs and Motor Vehicle Crashes in Japan(高齢運転者標識と自動車事故との関連)
- 高齢運転者は自動車の前面と後面に高齢運転者標識を表示することが推奨されている。
- 高齢運転者標識の表示が車両相互の事故リスクに及ぼす影響は調査されていない。
- 高齢運転者標識の表示は追突事故のリスク低減とは関連していなかった。
Volume 36, Issue 2 (February 2026)
- 小学4年生時に貧困状態にある子どもは、小学6年生時点のレジリエンスが低かった。
- 小学4年生時にたくさん本を読んでいることが、小学6年生でのレジリエンスの高さと関連していた。
- 読書は貧困による子どものレジリエンスの低さを緩和し、週に4冊以上本を読む子どもは、貧困でない子どもと同じくらいレジリエンスが高かった。
- 貧困状態にある子どもにとってアクセスしやすい読書環境を整えることがレジリエンスの発達に寄与する可能性がある。
- 血清疫学調査への参加に関連する要因を特定した。
- 女性、高学歴、高所得、世帯人数が多いほど、血清疫学調査への参加率が高かった。
- ワクチンへの躊躇やCOVID-19リスクの認知が高いことは、調査参加確率を低下させた。
- 非回答バイアスにより、ワクチン接種者の血清有病率が偏る可能性がある。
- 本研究の知見は、将来の血清疫学調査における参加率向上およびバイアス補正に役立つ。
- 東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査では、成人を対象に自記式の食物摂取頻度調査票(TMM-FFQ)を使用している。
- α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンのTMM-FFQから推定した摂取量と血清濃度を比較した結果、男性においてTMM-FFQは中程度の妥当性が示された。
- リコピンのTMM-FFQから推定した摂取量と血清濃度を比較した結果、男性においてTMM-FFQは妥当性が示されなかった。
- カロテノイドのTMM-FFQから推定した摂取量と血清濃度を比較した結果、女性においてTMM-FFQは妥当性が示されなかった。
- 岩手PARC Studyは、脳梗塞発症のポリジェニックスコア(PGS)に基づくリスクコミュニケーションが行動・心理に与える影響を評価することを目的としている。
- 2023年に岩手県で2,088人の就労世代の参加者が登録され、そのうち半数は2024年に介入群として脳梗塞リスク報告書を受け取った。
- 本研究では、PGSリスクの報告は非遺伝的リスク因子(生活習慣など)を低減するための行動変容を促すという仮説を立てた。
- 本研究は、PGSリスクコミュニケーションに関する日本初の大規模コホート研究である。
- 本研究は東北メディカル・メガバンク(TMM)計画のもとで行われており、参加者のデータおよび生体試料はバイオバンクに安全に保管されている。
Volume 36, Issue 1 (January 2026)
Review article
- 本システマティックレビューでは、日本人を対象にした座位行動と健康アウトカムの関連について検討した前向きコホート研究および縦断研究の知見を整理し、今後の課題を明らかにした。
- レビューに採択された28件のうち、多くの研究が座位行動指標として自己報告によるテレビ視聴時間を採用していた。
- 部分的なものも含め、多くの研究において座位行動と健康アウトカムの間に負の関連があることが報告されていた。
- 上記の関連は、ほとんどの研究で、何かしらの身体活動指標を交絡因子として調整しても有意性が認められた。
- 研究数が限定されていたこと、研究の質が中程度であったことから、座位行動の健康影響に関する量反応関係について明確な結論を導くには至らなかった。
- 食塩摂取状況に特化した簡易な質問紙:塩分チェックシート(13項目)の、食塩摂取量を定量的にスクリーニングする性能について検討した。
- 日本人154人を対象に、塩分チェックシートのスコアと24時間尿中ナトリウム排泄量から求めた食塩摂取量を比較した。
- 男性において、ROC曲線下面積(AUC)は0.702であり、10g/日以上の食塩摂取量を判別するためのツールとして中程度の有用性が示された。
- 女性では、特定の3項目のみを使用した場合においてのみ、食塩摂取量判別のAUCは0.700以上であった。
- 本研究は、高齢者の孤独に対する地域レベルのソーシャル・キャピタルと社会経済的要因の交互作用を検討した。
- 社会的凝集性および互酬性は、孤独と負の関連を示した。
- 教育歴と地域の市民参加の交互作用が孤独と関連しており、市民参加レベルが高い場合、教育歴が高いほど孤独感は低かった。
- 孤独に対する介入は、教育歴などの個人レベルの社会的要因を考慮する必要があると示唆される。
- 本観察研究では、日本の1食単位の食事ガイドライン(「健康な食事」)への遵守度と全死亡及び死因別死亡との関連を検討することを目的とした。
- 19.0年間の追跡調査を行った多目的コホート研究(JPHC Study)のデータを用い、 45~75歳の男性40,222名及び女性47,350名を対象とした。「健康な食事」への遵守度は、妥当性が確認された食物摂取頻度調査票に基づき評価された。
- 「健康な食事」への遵守度が高いほど、男女ともに全死亡リスクが低いことが示され、ハザード比(95%信頼区間)は、男性で0.86(0.82–0.91)、女性で0.92(0.87–0.98)であった。
- 「健康な食事」への遵守度が高いことは、男女ともに脳血管疾患および呼吸器疾患による死亡リスクの低下と有意に関連していた。一方、がん、心血管疾患、および心疾患による死亡との有意な関連は男性にのみ認められた。
- 本研究は、脂肪細胞インスリン抵抗性指数(Adipo-IR)と2型糖尿病発症リスクの関連の日本人中年男女におけるBMI層別化解析である。
- 35-66歳の日本人男女勤労者3,257名(男性:2,501名、女性:756名)の17年間の追跡データを解析した。
- 過体重/肥満者の層において、Adipo-IR値は男性(3分位の最も低い群を基準とした最も高い群のハザード比:2.94、95%信頼区間:1.76-4.90)、女性(同ハザード比:4.24、95%信頼区間:1.08-16.61)とも2型糖尿病発症リスクの有意な上昇と関連した。
- 過体重/肥満者におけるAdipo-IRと2型糖尿病発症リスクの関連は男性より女性で強かった。



