Journal of Epidemiology

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日本語抄録

 

Vol.15-2

日本人の2地域住民における葉酸、ビタミンB6、B12の1974年から2001年にかけての摂取状況の動向
Trends in Dietary Intake of Folate, Vitamin B6, and B12 among Japanese Adults in Two Rural Communities from 1974 through 2001

吉野佳織(筑波大学大学院人間総合科学研究科社会健康医学)、稲川三枝子、大島美幸、横田紀美子、梅澤光政、馬 恩博、山岸良匡、谷川 武、佐藤眞一、嶋本 喬、磯 博康
背景:慢性疾患の発症と関連する葉酸、ビタミンB6、B12の摂取量の把握が、5訂日本食品標準成分表により可能となった。 方法:2地域における、葉酸、ビタミンB6、B12の食事からの摂取量の長期的な動向に関して、井川町では1974年~2000年、協和町では1982年~2001年の分析を行なった。調査には24時間思い出し法を用いた。緑茶の摂取については1994年から調査したため、長期傾向の見積もりには含めず、最新の調査期間における食物源を調べるためにのみに用いることとした。調理による栄養摂取量の変化は考慮しなかった。
結果:井川町における葉酸の年齢調整平均摂取量は1970年代から1980年代にかけて30%増加し、その後は同レベルを維持した。一方、協和町では1980年代以降の調査期間中に大きな変化はなかった。井川町における増加は主に緑黄色野菜によるものであった。ビタミンB6の平均摂取量は、1980年代の協和町・女性において増加し、最新調査期間の協和・男性において減少した他は、大きな変化はなかった。ビタミンB12の平均摂取量については、目立った傾向は見られなかった。葉酸摂取の最も大きな供給源は野菜(葉酸摂取量の38-58%)、2番目はアルコール/緑茶を含む飲料(11-24%)であった。ビタミンB6とB12の最大摂取源は魚介類(ビタミンB6の16-23%、ビタミンB12の77-84%)であった。
結論:葉酸及びビタミンB6、B12の栄養摂取量には顕著な動向は見られなかったが、1970年代から1980年代にかけて、緑黄色野菜の増加に起因する葉酸摂取量の増加が見られた。
キーワード:葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、食物、傾向
(P29~37)

Physicians' Attitudes towards and Reasons for Participation in the Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan (CASE-J) Trial

Mahbubur Rahman, et al.
(P38~40)

The Effect of Alcoholic Beverage Type on Hyperuricemia in Japanese Male Office Workers

Takuya Sugie, et al.
(P41~47)

高自殺率を示す市町村の日本人における自殺とうつに関する知識と態度
Knowledge of and Attitudes toward Suicide and Depression among Japanese in Municipalities with High Suicide Rates

西信雄(岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学、現放射線影響研究所)、黒澤美枝、野原勝、小栗重統、智田文徳、大塚耕太郎、酒井明夫、岡山明
背景:日本では自殺やうつに関する知識や態度は十分に調査されていない。
方法:調査地域は、日本人の標準に対する自殺の標準化死亡比(SMR)が男性で1.62から3.72、女性で1.43から3.49の北日本の市町村とした。我々は20歳から79歳の7,136人の無作為標本に質問票調査を実施し、5,547人(77.7%)のデータを分析した。対象者を抽出した7市町村を、自殺SMRにしたがって3つに区分した。うつ状態の評価には、うつ自己評価尺度(SDS)のスコアを用いた。
結果:SDSスコアは女性において高SMR群で有意に高かったが、男性においてはSMRの3群間で有意な差を認めなかった。教育を受けた期間が9年以下の者の割合は、男女とも高SMR群で有意に高かった。週に1回以上飲酒する男性の割合は、高SMR群で有意に高かった。うつ状態が薬物で治療可能であることを知らない者の割合は男女ともSMRの3群間で有意な差を認めなかったが、うつ状態になったときに精神科にかかることを欲しない男性の割合は高SMR群で最も低かった。
結論:女性においてSMRの3群間でSDSスコアに有意な差を認めたが、心理社会的要因とうつや自殺に関する知識や態度のほとんどの項目でSMRの高さと逆の関連を示さなかった。
キーワード:自殺、うつ、心理社会的要因、標準化死亡比
(P48~55)

Validity of Using Tuberculin Skin Test Erythema Measurement for Contact Investigation during a Tuberculosis Outbreak in Schoolchildren previously Vaccinated with BCG

Aira Toivgoogiin, et al.
(P56~64)

 
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