Journal of Epidemiology

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日本語抄録

 

Vol.12-4

Association between Smoking Habits and Dopamine Receptor D2 TaqⅠA A2 Allele in Japanese Males: a Confirmatory Study

浜島 信之 他
(P297-304)

Validation of Walking Questionnaire for Population-based Prospective Studies in Japan: Comparison with Pedometer

坪野 吉孝 他
(P305-309)

原子力施設放射線業務従事者の生活習慣等の特性-アンケート調査の基本データ
Life-style and other characteristics of radiation workers at nuclear facilities in Japan: base-line data of a questionnaire survey.

村田 紀(放射線影響協会放射線疫学調査センター)、三宅敏雄、井上 康、大島澄男、工藤伸一、吉村健清、秋葉澄伯、丹後俊郎、吉本泰彦、清水由紀子、祖父江友孝、久住静代、岩崎民子、山岸親雄、松平寛通
(P310-319)
我が国における原子力施設放射線業務従事者のリスク推定に関連して、交絡因子の影響を調べるために、男性54,369人、女性470人の現役従事者に対して、生活習慣に関するアンケート調査を行い、男性48,282人と女性428人から有効回答を得た。線量群間に生活習慣の違いがあるか否かを確かめるために、男性回答者のみにつき累積線量で5群に分けて、拡張Mantel検定を行った。高線量群ほど喫煙率ならびに多量喫煙者割合が高くなっていた。多量飲酒者割合についても同じ傾向であった。特定の有毒物質を取り扱う業務に従事した経験を持つ者の割合も高線量群で高かった。逆に、胃のX線検診やその他の放射線検査を受けたものの割合は高線量群ほど低かった。これらの結果は放射線業務従事者の生活習慣等の特性が線量群間で異なり、従って線量とがん死亡率との間の統計学的関係にそれらが交絡因子となる可能性を示唆している。
キーワード: 放射線作業者、低線量放射線、がん死亡率、交絡因子、生活習慣

日本の満期産における低アプガースコア児出生にかかわるリスク要因: 症例対照研究
Risk Factors of Low APGAR Score in Japanese Full-term Deliveries: A Case-control Study

須賀万智(聖マリアンナ医科大学予防医学教室)、杉森裕樹、中村真、萩庭一元、吉田勝美
(P320-323)
本文: 日本の満期産における低アプガースコア児出生にかかわる母親の属性や妊娠合併症を調べるため、妊娠週数と分娩方法を一致させた症例対照研究(低アプガースコア群102例、対照群204例)を実施した。人工妊娠中絶の既往と妊娠中毒症の合併は低アプガースコア群において多くみられた。条件付きの多重ロジスティック回帰分析において、これらの要因は低アプガースコア児出生のリスクを2倍以上高めた。周産期トラブルのないペアを抽出して同様の解析を実施したところ、人工妊娠中絶の既往が低アプガースコア児出生の独立したリスク要因になることが示された(オッズ比2.68, 95%信頼区間1.01-7.04)。本研究はいくつかの限界を含むと考えられるが、人工妊娠中絶の既往は新生児の状態の悪化を予測する因子になる可能性が示唆された。
キーワード: 症例対照研究、アプガースコア、リスク要因、人工妊娠中絶、妊娠中毒症

Job Strain Dose Not Relate to Morning Level Vanilmandelic Acid in Japanese Civil Servants

Ali Nasermoaddeli 他
(P324-329)

出生場所別に見たわが国の出生件数の曜日変動と日内時刻変動
Nationwide description of live Japanese births by day of the week, hour and location

森田徳子(奈良県立医科大学衛生学教室)、松嶋紀子、尾方希、佐伯圭吾、石橋真理子、小向井英記、松田亮三、車谷典男 (P330-335)
 わが国の出生場所別出生件数分布の特徴を把握するために、1998年の全出生件数1,203,147件を対象に検討した。病院(20床以上)では、一日の出生件数は、月曜から金曜の平日の平均が1,957件(SD=126)であったのに対し、土曜・日曜・祝祭日の平均は1,433件(SD=100)と有意に少なかった。時刻別出生件数は、平日の場合は午後1時台から2時台に明瞭なピークを形成し、土曜・日曜・祝祭日の場合はより早い時間帯に小さなピークを形成した。診療所(0から19床)の結果は、土曜を除いて病院での結果に類似していた。診療所の土曜と平日の平均出生件数の差は病院の場合よりも小さく、さらに土曜の出生時刻分布は、日曜・祝祭日ではなく平日の分布に類似していた。助産所では、一日の平均出生件数は祝祭日も含めて曜日間で差はなく、また、時刻別出生件数は各曜日とも明瞭なピークは見られなかった。今回の研究の結果、病院と診療所で観察された曜日別及び時刻別の出生件数分布は、自然な生体リズムによるものではなく、分娩誘発や帝王切開などの産科的介入によるものと考えられた。
出生数、産科的介入、自然分娩、経時的変化

A Survey of Skin Disease among Patients in an Australian Nursing Home

Derek Richard Smith 他
(P336-340)

 
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