日程表・プログラム
会長講演
「社会と疫学」
2022年1月27日(木)8:30~9:00
座長:尾島 俊之(浜松医科大学健康社会医学講座)
演者:近藤 克則(千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門)
シンポジウム
◆ メインシンポジウム
2022年1月27日(木) 9:10~11:00
「社会疫学から疫学の未来を展望する」
社会疫学は、ライフコースにわたる健康事象の社会的分布の記述に加え、健康に影響を与える社会的な要因を解明すること、またそれらの要因を踏まえた政策や保健活動を考案し、その効果を評価すること等により、健康の公正性を高めることを目指してきた。社会疫学が研究課題とする曝露や介入対象の射程は、人々の社会関係や国の経済政策など、保健医療の枠を超えていることが特徴といえる。多様な要因同士の関係性を紐解く必要性もあるため、そこから応用が進んだ統計学的手法も少なくない。また、他の疫学分野のみならず、疫学の枠を超えた学際的な研究も積極的に展開されている。本シンポジウムでは、こういった社会疫学の特徴を踏まえつつこれまでの社会疫学の到達点や課題点を多角的に振り返り、疫学全体の未来を展望したい。
◆ シンポジウム1
2022年1月28日(金) 13:10~14:40
「災害疫学ー減災・レジリエンスの疫学」
社会から疫学に期待されている分野の1 つが,災害疫学である.東日本大震災から10 年あまりの間に蓄積された成果を振り返り,今後疫学が強化すべき課題を総括すべき時期と思われる。 災害に伴う健康被害の記述を越えて,被災者の健康被害の予防や減災,そしてリジリエンスを高めるための科学としての疫学の到達点と課題を考える。
◆ シンポジウム2
2022年1月27日(木) 15:10~16:40
「ポスト/ウィズ “コロナ”時代の疫学ー新型“コロナ”感染症からの教訓」
◆ シンポジウム3【日本疫学会疫学研究推進グループ企画】
2022年1月28日(金) 14:50~16:20
「出生コホートを基盤とする疫学研究の推進」
近年、出生コホート研究は、欧米諸国を中心に、ネットワークやコンソーシアムを構築し、データの様式の共通化、データ統合、メタアナリシスなどのような形で、連携を深めています。わが国では、このような連携が乏しかったのですが、2019年度から、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を得て、国内の東北メディカル・メガバンク三世代コホート、北海道スタディ、千葉こども調査、成育母子コホート、浜松母と子の出生コホート、BOSHI研究の6出生コホートからなるAMED BIRTHDAY出生コホート連携研究班が発足し、国内出生コホート連携基盤の構築・維持・更新を図っています。「出生コホートネットワーク」は、この研究班を母体に、今年度、日本疫学会に新たに設置された疫学研究推進グループの1つとして設立されました。本グループでは、この研究班や関連学会と協力して、国内の出生コホートネットワークを構築し、情報共有の機会の提供、連携の促進とともに人材育成を目的として活動を行っています。
今回、本グループが中心になり、シンポジウム「出生コホートを基盤とする疫学研究の推進」を企画いたしました。わが国における出生コホート連携の推進のために、出生コホート連携研究班における各々の出生コホートがこれまでに取り組んできた研究成果、出生コホート連携研究班としての連携の取り組みとともにエコチル調査のオープン化に向けた連携の取り組み等をご紹介する予定です。
◆ シンポジウム4【学会連携推進委員会 禁煙推進学術ネットワークWG企画】
2022年1月28日(金) 8:30~10:30
「社会格差としてのタバコ -その解消に向けて」
タバコは社会格差の象徴です。疫学会のみなさんは日常生活でタバコの煙にさらされることはほとんどないでしょう。それは、みなさんが社会階層の上位にいるからです。2019年国民生活基礎調査によると、20~30歳代の喫煙率(毎日または時々吸う)は、大学院卒の男性で13.5%、女性で2.8%であるのに対して、小学校・中学校卒では実に男性で58.4%、女性で39.2%です。高級レストランでタバコの煙が充満しているところはまずありませんが、赤ちょうちんの店ではガス室のような店がまだたくさんあります。そして、子どもの喫煙有無は親や兄弟・姉妹の喫煙と強く相関しています、つまりタバコは世代間で固定化する傾向にあります。みなさんがタバコと縁のない生活を送れているのは、恵まれた環境で育ったからとも言えます。
本シンポジウムは、社会格差という視点でタバコ問題を捉えなおそうと企画させていただきました。職業・社会階層、妊産婦、中高生、加熱式タバコ、禁煙介入など、幅広い話題を新進気鋭の研究者に提供していただきます。タバコの社会格差の現状を正しく認識し、その解消のための道筋を議論できればと考えております。
◆ シンポジウム5【共催:日本医療研究開発機構(AMED)】
2022年1月27日(木) 13:30~15:00
「暮らすだけで健康になる社会づくりと疫学」
「暮らすだけで健康になる社会」への期待が高まっています。公園や歩道をはじめとする建造環境などのハードな環境と情報などソフトな環境によって、そこに暮らす人たちの健康行動が異なってくることがわかってきました。IoT やスマホなどを通じて収集した情報を活用し、健康に望ましい行動を選択しやすい環境条件・インセンティブなどを解明し、ライフステージを視野にいれて社会の設計に役立てれば、ライフコースの視点も含めた健康スマートシティの社会実装が期待できます。本シンポジウムでは、「暮らすだけで健康になる社会づくり」に向けた次世代の研究の可能性を探ります。
特別講演
「New directions for disaster research and social epidemiology」
2022年1月28日(金) 10:40~11:40
座長:近藤 克則(千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門)
演者:Ichiro Kawachi(ハーバード大学公衆衛生大学院)
教育講演
◆ 教育講演1【COIに関する教育講演】
2022年1月27日(木) 16:50~17:50
「臨床研究に関する利益相反の考え方」
座長:郡山 千早(日本疫学会利益相反COI委員会委員長)
演者:中田 はる佳(国立がん研究センター 研究支援センター生命倫理部COI管理室・室長)
◆ 教育講演2【Well-being】
2022年1月27日(木) 11:10~12:10
「Well-being・幸福と健康:疫学・予防医学研究への示唆」
座長:白井 こころ(大阪大学大学院医学系研究科)
演者:前野 隆司(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)
共催セミナー
2022年1月27日(木) 12:20~13:20
「呼吸器アレルギーや感染症を予防する換気 ~3密評価セミナー~」
座長:中村 裕之(金沢大学医薬保健学域・研究域長 教授)
講演者:武藤 剛(北里大学 医学部衛生学 講師・千葉大学予防医学センター 特任助教)
弘田 量二(松本大学大学院健康科学研究科 教授)
共催:株式会社トゥーコネクト
奨励賞受賞者講演
2022年1月28日(金) 11:50~12:20
伊藤 ゆり
(大阪医科薬科大学 研究支援センター 医療統計室)
久松 隆史
(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 公衆衛生学分野)
関連行事
◆ 疫学セミナー
2022年1月26日(水) 12:50~15:50
テーマ:「人工知能で広がる疫学の世界」
セミナーのねらい:疫学を学んでいる人がAI活用の取組みを知ることにより、研究手法、環境構築や研究対象などについての知見を広げ、疫学の世界を広げることをねらいとする
場所:東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾート/オンライン ハイブリッド
座長:千葉大学医学部附属病院 病院経営管理学研究センター特任講師 亀田義人
登壇者:
医学研究者
・人工知能を活用して医学分野で研究をしている越境型人材から学ぶ
〇川上英良 千葉大学 大学院 医学研究院 人工知能(AI)医学 教授
医科学研究における・人工知能(AI)の活用
〇奥村貴史 北見工業大学 工学部・大学院工学研究科 教授
自然言語処理と公衆衛生への応用の可能性
人工知能エンジニア
・産業界の最先端の取組みを学ぶことにより、疫学・公衆衛生への応用を探る
〇中井悦司 Google Cloud、ソリューションズ・アーキテクト
現実世界の機械学習とデータサイエンス〜疫学に関わる皆様に知っていただきたい基礎知識
〇大田黒 紘之 株式会社ABEJA 機械学習エンジニア
産業界で活用されるセンシング技術 ~IoT x AIの利活用~
※本セミナーの講演内容の各種メディアの記事化やSNSへの投稿はお控えください。
◆ 日本疫学会プレセミナー2022
2022年1月26日(水) 16:00~18:00
※詳細は以下リンク先よりご確認いただけます。
URL:https://jeaweb.jp/activities/seminars/individual.html?entry_id=911
◆ 疫学若手の集い
2022年1月26日(水) 18:30~20:30
開催形式:オンライン(Zoom)
以下の参加登録フォームより、ご登録ください。
https://forms.gle/CGnFcXETCb9h4LQ36
◆ 社員総会
2022年1月27日(木) 18:00~19:00