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日本疫学会若手の会からのお知らせ
若手の会の若手って何?
産業医大産業生態科学研究所環境疫学研究室
寶珠山 務
疫学の未来を語る若手の集い(以下,若手の集い)は,平成8年より毎年1月の日本疫学会に併せて7回ほど開催されました。本ニュースレターで,玉腰暁子先生(第1回,No.8,1996年),中山健夫先生(第3回,No.12,1998年),嶽崎俊郎先生(第4回,No.14,1999年),岩井伸夫先生(第5回,No.16,2000年)らが報告されているように,集いでは,毎回テーマをきめて討論が行われ,疫学研究と倫理,個人情報保護,政策などが取り上げられてきました。
これらの課題は,対象が国,地域や職域レベルのいずれに相当するかに依らず,疫学・公衆衛生の専門家なら必ずや直面する問題です。解決には,時宜を得た高次の判断が要求され,場当たり的な対処では太刀打ちできません。
若手の会の若手とは,この種の問題に遭遇していない,または,遭遇していてもその自覚がない段階を指すのではないでしょうか。疫学の領域では,この壁を乗り越えられないと,少なくとも「専門家」の称号は与えられないでしょう。若手の集いでは,相互の経験や知識を共有し,討論を行うことで,相互に研鑚を積むことを大きな目的としています。教授クラスの先生から,ときどき「若手」で凝り固まることにご批判をいただくことがありますが,相互研鑚と交流等を目的として活動を行い,一刻も早く,一人前の専門家として充実感に満ちた境地に立てるよう切磋琢磨している次第であります。
なお,本年度から若手の会の世話人が大幅に代わり,私が世話人代表をさせていただくことになりました。世話人には,さらに13名の有志諸君が名を連ねてくれています。先達の方々が醸成されてきた日本疫学会の雰囲気を決して損ねることのないよう,ますます盛り上げて行く所存ですので,どうかご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
「疫学の未来を語る若手の会」世話人一覧
(括弧内は所属先,順不同)
寶珠山 務(産医大,代表)
小橋 元(北大)
杉森裕樹(聖マリ医大)
田中千恵子(産医大)
大木いずみ(自治医大)
内藤真理子(京大)
門脇 崇(滋賀医大,会計担当)
櫻澤博文(福井医大)
高尾総司(岡大)
八谷 寛(名大)
神田秀幸(滋賀医大,会計担当)
岩崎 基(国立がんセンター)
大谷哲也(国立がんセンター)
永井周子(京大)
「疫学の未来を語る若手の集い」テーマ一覧
第1回(平成8年1月23日,第6回日本疫学会,名古屋)
A:疫学研究におけるインフォームド・コンセント
B:精神障害および心理的問題の疫学調査法
第2回(平成9年1月23日,第7回日本疫学会,東京)
A:疫学研究における「インフォームド・コンセント」
B:「アンケート(質問票)疫学」への批判
第3回(平成10年1月29日,第8回日本疫学会,東京)
A:疫学研究におけるインフォームド・コンセント-標準様式は可能か?
B:次世代に向けての疫学 - その可能性と課題
第4回(平成11年1月22日,第9回日本疫学会,名古屋)
A:望ましいインフォームド・コンセントの在り方について
B:Evidence-Based Public Health のための疫学研究
第5回(平成12年1月28日,第10回日本疫学会,米子)
A:疫学研究におけるインフォームドコンセントガイドライン案
B:若手により日本の21世紀の疫学を模索する
第6回(平成13年1月26日,第11回日本疫学会,つくば)
A:政策形成へ寄与する疫学研究:タバコ問題を例として
B:若手の集いの今後
第7回(平成14年1月25日,第12回日本疫学会,東京)
Role of Epidemiology and Epidemiologists in Evidence-based Health Policy (EBHPにおける疫学と疫学研究者の役割)