過誤
過誤(エラー)とは, 検定が誤った確率(P値)に基づいて行われたことによる誤判断をいい, 主に以下の二種類がある.
- 第一種の過誤(αエラー):
- 本当は検定仮説が正しいのに, 誤りであると判断する.
- 第二種の過誤(βエラー):
- 本当は検定仮説が誤りなのに, 誤りであると判断しない.
なお, 一般に標本データ数が多くなると, 第二種の過誤は生じにくくなる(検出力が上がる)
(例)
例えば, P=0.01で有意差有りと判断した場合, その判断が誤りである確率は1%である. 一方通常の検定では第2種の過誤は考慮していないので, 有意差なしと判断した場合にその判断が誤りである確率は不明である. したがって, 有意差なし=「差がないことが証明された」とかんがえるのは誤りで, 「差があるとはいえない」と解釈するべきである.
表1
「横山徹爾:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p89-100, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.