推定
疫学における推定とは, 標本抽出によって得られた標本集団を解析した結果から, 母集団の性質(真の値)を推定することである. 推定には母集団の性質を一つの数字で推定する点推定値と, その偶然のバラつきを見るため, 幅を持たせて推定する区間推定(信頼区間)とがある. 特に関連性や効果を推定する際に得られた点推定値を別の言葉で「効果量effect size」と呼ぶ.
(例)
標本集団の血圧の平均値が135mmHg, 95%信頼区間が128−142mmHgであった場合, 母集団の血圧の平均値は135mmHg(点推定値)であり, 仮に母集団に血圧測定を100回行った場合, 95回はその平均値は128mmHgから142mmHgの値(区間推定値)を取ると解釈する. この時, 95%信頼区間を母集団の95%が128mmHgから142mmHgの値を取る解釈するのは誤りである.
「横山徹爾:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p89-100, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.