検定

検定とは, 観察や実験の結果(差がある, なしなど)が, 偶然によるものなのか, そうとは考えにくいのかを統計学的な確率論に基づいて判断することである. なお, 検定の結果は必ずしも臨床的な重要性を保証するものではない.

(例)

“母集団の収縮期血圧の平均は120mmHgである”という仮説が正しいと仮定する. この仮説のもとで, “母集団から抽出された100人の標本平均が140mmHg以上である”という事象が観測される確率を計算する. その確率が十分に小さければ(一般的には5%や1%未満), “母集団の収縮期血圧の平均は120mmHgである”という仮説が正しいとは考えにくいので, 仮説を棄却する. つまり, “母集団の収縮期血圧の平均は120mmHgであるとはいえない”と判断する事ができる. この論法を“仮説の検定”という. また, 母集団から標本を抽出する際や, 血圧の測定方法などに誤りがあったり, 研究自体にバイアスが存在したりする場合は検定結果の妥当性は低下する.

 

「横山徹爾:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p89-100, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.

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