オッズ比
オッズとは、「見込み」のことで、ある事象が起きる確率pの、その事象が起きない確率(1 − p)に対する比を意味する。オッズ比とは二つのオッズの比のことであり、コホート研究での累積罹患率(罹患率)のオッズ比と、症例対照研究での曝露率のオッズ比がある。
前者は曝露群と非曝露群それぞれの罹患/非罹患オッズの比であり、後者は罹患率と非罹患率それぞれの曝露/非曝露オッズの比である。それぞれ以下のような「たすきがけ」の式で求められる。
※下記の記述に誤りがありましたので修正しました(2021/1/4)
(A〜D、a〜dは表1と図1に対応)
表1
要 因 | 罹 患 | 計 | |
---|---|---|---|
あり | なし | ||
曝露群 | A | B | A+B |
非曝露群 | C | D | C+D |
図1
症例対照研究の場合、相対危険と寄与危険を直接計算することはできないが、①患者群・対象群が母集団を代表していること、②疾病の発症率が低いこと、などが成り立つとき、オッズ比により相対危険の近似式として用いる。
「小橋 元:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p13-24, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.