選択バイアス

研究の対象者を決める時点で生じるバイアスを選択バイアスという。選択バイアスは、研究を行う場所、対象者を集める方法、研究参加後の脱落など、様々な場面で生じうる。
例えば、高齢者を対象に健康に関する調査を行うとする。対象者の募集を病院で行うかクリニックで行うかによって、対象者の疾患や重症度が異なるため、同じ高齢者でも対象集団の特性が異なる。また、対象者を集める際、インターネットでの公募などの方法を用いると、インターネットが使用可能かつ健康への関心が高い者のみを対象とすることとなる。さらに、健康への関心が薄い者の脱落が多い場合、結果的に対象とした高齢者は健康への関心が高い者となる。このように、対象者を決める時点で生じうる偏りを選択バイアスという。
選択バイアスが生じると、曝露群と非曝露群に差がないにもかかわらず差があるという結果になったり、逆に差があるにもかかわらず差がないという結果になったりする可能性があり、適切な比較が困難になるという点で問題となる。

トップ・目次に戻る