偶然誤差 系統誤差

実際に収集された調査結果と真実との間にある差を誤差という。誤差は、理想的な状況でも偶然におこるものと、データの収集方法が適切でないため系統的におこる一定の方向性をもつものに分けられ、前者を偶然誤差、後者を系統誤差という。
例えば、高齢者を対象として血圧に対する調査を行うとする。たまたま測定を行う日、普段よりも高い血圧値を示す人が多かった場合、この誤差は偶然誤差である。一方、対象とする集団のうち、毎日一定量運動をしている者や、血圧の測定に協力的な者のみを対象とすれば、結果として健康への意識が高い人が抽出されることとなる。また、壊れた血圧計で測定を行い続ければ、正しい結果をえることは出来ず、結果に一定した偏りが生じる。このような誤差は系統誤差である。

 

(参考)「疫学-医学的研究と実践のサイエンス-」訳:木原正博

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