無作為割付
研究者は定められたプロトコルに従って、研究参加者を無作為に2群に分け、そのうちの1群には要因の適用(または除去)を行い(介入群)、他の群には行わない(対照群)という分け方のことである。どちらの群に入るかを参加者の希望や他の危険因子などで恣意的に決めると介入群と対照群の間に偏りが生じて正しい効果判定ができなくなる。
たとえば、脂質異常症患者を対象として、薬物治療による虚血性心疾患の予防効果の判定を目的とする介入研究を行う場合、参加者本人または研究者によって薬物治療群(介入群)と非薬物治療群(対照群)を決めると薬物治療群(介入群)に重症脂質異常症患者の割合が多くなるといったことが起こり、薬物治療の効果を正しく判定することが不可能となる。
「横山徹爾:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p71-80, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.