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学会長挨拶

第23回日本疫学会学術総会開催にあたって

第23回日本疫学会学術総会会長
大阪大学医学系研究科公衆衛生学
教授 磯 博康

今度、平成25年1月に大阪において第23回日本疫学会学術総会を開催させていただくことになりました。大阪万博記念公園に近い大阪大学構内のコンベンションセンターが会場です。

本学会総会のテーマは「疫学と東洋の知の形成」です。日本疫学会は誕生して四半世紀近くが経ち、日本の先駆者の先生方のご尽力により、中堅、若手が集い、様々な分野における疫学研究、予防活動、政策提言が行われてきました。本学会会員の皆様の中には欧米に留学され、あるいは国際学会等での議論を通じて、「西洋の知」を体得し、わが国の疫学研究の発展に貢献されている方が多くおられることと、日本がアジアのリーダーとして様々な分野での活躍が期待されている事情を鑑みますと、疫学研究において、「西洋の知」に加えて「東洋の知」の重要性を再認識する必要があります。というのは、健康問題は独自の文化、社会、政治体制、経済状況などによって強く影響を受けることから、アジア人の間でアジアの問題を共有し、解決策を求めてゆくことが重要であるからです。

すなわち、現代の複雑化する健康問題に対処し、解決方策を探るための「東洋の知」の形成が必要となります。日本の歴史を振り返ると、中国、韓国等から当時の先進的な文化、経済、政治そして学問が日本にもたらされました。日本の疫学はアジアにおいて先進的に、環境汚染、感染症、慢性疾患、精神疾患等に対処し、環境衛生、産業保健、母子保健、学校保健、成人・老人保健、精神保健等の分野での多くの実績を有しています。これらの実績とこれまで培った知を持って、他のアジア諸国からも新しく学んで、「東洋の知」を形成することは、本学会の今後の大きな使命の一つと考えます。

こうした視点を持って、会員の皆様一人一人が今後の10年、そしてさらなる四半世紀に向かって研究を推進して行くことが、日本の疫学研究のさらなる発展につながるものと期待されます。本学会総会がその契機となることを期待し、多くの会員の方々の参加をお待ちしております。