2016年度第2回一般社団法人日本疫学会理事会 議事録
日時 2016年(平成28年)5月7日(土)13:30-16:10
場所 大阪大学 医学・工学研究科 東京ブランチ
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町二丁目3番11 号
日本橋ライフサイエンスビルディング 9 階
出席者 (順不同、敬称略)理事: 磯博康、井上真奈美、小笹晃太郎、祖父江友孝、津金昌一郎、三浦克之、安村誠司、岡村智教、若井建志、嶽崎俊郎、小橋元、曽根博仁、玉腰暁子、松尾恵太郎、川上憲人、中山健夫、安田誠史
監事: 横山徹爾、西信雄
委任状出席者: 尾島俊之、辻一郎、中村好一
禁煙推進学術ネットワーク連絡委員会委員長:片野田耕太
学会事務局: 今野弘規、西野雅子

理事会に先立ち、磯理事長より、代理出席者・委任状提出者を含めて理事・監事全員の出席により理事会が成立していることが確認された。


<協議事項>
1.2016年度第1回日本疫学会理事会議事録(案)について報告があり、承認された。
2.2016年度第1回日本疫学会社員総会議事録(案)について報告があり、承認された。
3.その他の協議事項
●理事会メールによる審議事項について磯理事長より報告があった。
将来構想検討委員会における村上義孝委員(東邦大学)の追加、細則における「各種委員会に関する細則」の追加、2016年6月1日以降の投稿論文から適用されるJournal of Epidemiology(JE) 掲載料の改訂、理事会・社員総会の議事録(案)、「個人情報保護法改正に伴う疫学研究への影響の懸念と要望」。
●「健康寿命の延伸等を図るための循環器病(脳卒中等)対策基本法案の成立を求める会」発起人の依頼について説明があり、承認された。
●細則の変更(案)において、会費に関する細則について、「本細則の変更は、理事会の議決による」を「本細則の変更は、社員総会の決議による」に、各種委員会に関する細則において、「理事長が理事の中から委員長を指名する」を「理事長が委員長を指名し、理事会がこれを承認する」に変更することが承認された。
●「疫学の未来を語る若手の会」は任意団体として規約は別に定め、細則を「本会の活動に関する事項は本会が別に定め、その内容を理事会に報告する」に変更することが承認された。
●学会誌に関する細則第4条に基づき、理事長指名により2017年1月からJE編集委員長に松尾恵太郎先生が就任することが報告された。
●JE冊子印刷業者は、見積額比較の結果、従来通りの印刷業者に依頼することで承認された。
●学術総会の抄録は、学会終了後にPDFで学会ホームページに公開することで承認された。
●第3回の本理事会は第75回日本公衆衛生学会総会に合わせて2016年10月28日(金)午後に大阪で開催することが承認された。
●学会長は磯理事長が務めるので、本学会のPRを一般展示や教育講演で行う予定。


<報告事項>

1. 学会事務局からの報告
今野事務局長より、学会事務局活動報告と庶務報告が行われた。

1) 学会事務局活動
法人化にともなう事務局の業務(来年以降の学術総会用口座開設、等)および顧問税理士の業務、会費請求・入金処理、会員へのメール配信、委員への委嘱状送付(148通)、委員会活動の支援(COI自己申告書依頼119件、等)、第2回理事会開催準備、ホームページの更新、広報(クスリ早見帖への無料広告)、関連団体への対応(日本医学会定例評議員会・川上憲人先生、学会連絡協議会・小橋元先生)

2)庶務報告
●会員数(2016年5月1日現在 名誉会員:28名、代議員:136名、普通会員:1,785名(合計:1,949名 普通会員のうち2016年入会学生会員:36名、海外会員:17名)
●年会費納入状況(2016年5月1日現在 2016年度会費の納入義務のある会員:1,885名、2016年度までの会費納入完了者:1,190名、63%)、2年以上の滞納者:26名
●アンケート調査回答(医学書院、内科学会、等)
●後援名義使用依頼(日本高血圧学会「国際会議ISH2022」誘致賛同依頼、日本磁気学会協賛依頼)

2.各委員会等からの報告

1) 禁煙推進学術ネットワーク連絡委員会
片野田委員長から、本ネットワークは2015年10月現在27学会が参画し、本学会は2015年2月に参画、2016年1月の理事会で連絡委員会設立が承認された旨、説明があった。
2016年2月の会議に本学会から笹月静先生と共に参加した。安定した財源確保のため参画している学会(正会員)から年10万円を1口として会費を徴収する会則案が作成されたことに対して、本学会と日本衛生学会は学会規模による差を設けてほしいと要望したが、原案通り進める方針となったことが報告された。ただし、会費は各学会で承認を得るまで納入は猶予され、議決権も当面あるとのこと。今回の理事会では10万円の会費納入については不承認となった。理事からは、一律の部分と比例配分の部分があってもよいのではないか、日本衛生学会と一緒に質問状を提出する等の活動をしてはどうか、との意見があった。連絡委員会で参画している学会の会員数および会費拠出決定状況を調査したうえで、禁煙推進学術ネットワーク宛ての文書を作成し、送付する。今後、各種団体から同様のオファーがある可能性があり、継続審議が必要。 今年1月の学術総会(鳥取)でブース設営と冊子配布を行ったことを(2016年2月の)会議で報告した。
厚労科研で喫煙の健康影響に関する科学的エビデンスの収集を実施した。理事長から、喫煙予防・禁煙推進に対する貢献度が高いので、会費についてはそうした点を勘案し、猶予してほしいとのコメントがあった。

2) JE編集委員会
井上委員長より、JE投稿・査読状況および刊行状況に関する報告があった。掲載論文は来年4月号まで決定している。今年7月らElsevierのEVISEで、Editor-in-Chief担当・松尾恵太郎先生で受付を開始する。プレスリリースされたJE掲載論文はリンクを貼るようにするので著者は編集室に連絡をしてほしい。2つのシステムが動いている煩雑な状況のため編集委員の人選を前倒しして今年から行っていく予定。

3) 選挙規程検討委員会
川上委員長より、委員会を各年度1度は開催して意見交換したい、選挙制度に関して何か意見・提案があれば連絡いただきたい旨の説明があった。

4) 学術委員会
岡村委員長より、今年度のサマーセミナーは8月27日に慶應義塾大学医学部予防講堂で開催予定であること、学術総会での委員会企画として、「コホート研究の実際」あるいは「臨床疫学への疫学会の貢献」をテーマにシンポジウムを検討中であること、サマーセミナーを専門医養成のための基本プログラムに組み込むことを検討するとの報告があった。

5) 疫学専門家養成検討委員会
委任状出席の尾島委員長に代わり、磯理事長より、委員会のこれまでの経緯について説明があった。今年6月5日に第1回の委員会開催を予定している。参考情報として、日本公衆衛生学会の公衆衛生専門家認定制度、日本計量生物学会の試験統計家認定制度および社会医学系専門医制度の紹介があった。社会医学系の専門医制度に関する協議会には、本学会から、磯理事長、小橋元先生、曽根博仁先生、中村正和先生が参画している。

6) 国際交流委員会
松尾委員長より、IEA事務局から会員リストを入手し、ネットワークを確認したうえでIEAにどう働きかけていくかを考えること、今年12月2日の韓国疫学会総会における日韓疫学セミナーの演者として自身のほか、山岸良匡先生を予定していることが報告された。座長は松尾先生が兼ねることとなった。韓国疫学会との協定に従い、交通費は本学会から支給されることが承認された。理事から韓国、台湾の疫学会参加者用のグラントの提案があったが、英語のセッションが無いことも想定されるため、あらかじめ確認が必要である。学術総会のtravel grantとして、昨年度同様1件10万円で7名程度を募集することで承認された。

7) 国際疫学会準備委員会
委任状出席の中村委員長に代わり、磯理事長より、今年1月23日に組織委員会を開催したこと、5月23日にIEA理事長の会場視察と打合せを予定していること、6月18日に組織委員会を開催する予定であることが報告された。また、各委員で担当するセッションの計画を策定中であること、公的機関、関連学会への後援を依頼していること、セミナー・共催シンポジウム・広告・寄付などの依頼を開始していること、学会サイトの紹介、夏をめどに一般演題の募集を開始する予定であることが報告された。三浦委員より、IEAからの支援金も無く、資金集めに苦労しているので、協賛企業等(セミナー等は英語が望ましいが日本語でも可)を夏までに積極的に紹介いただきたいとの協力依頼があった。学会参加費は6万円を予定している。

8) 医療情報・統計利用促進委員会
祖父江委員長より、特に医療情報(レセプトデータ)の疫学研究への利用促進に関して、利用したい人が利用出来るようにする枠組みの法律の勉強もしており、今年3月31日の委員会では、薬剤疫学会で活躍されている平松達雄先生、漆原尚巳先生に講演いただいた。仕組み、事例、データの使用方法などをしっかりと勉強した上で対応したい。この4月から5月にかけて、WebEx会議を4回行う。喫緊の課題として、「医学研究等における個人情報の取り扱い等に関する合同会議」の対応と、「個人情報保護委員会」の対応がある。理事から、病歴が要配慮事項になっていることについて、病歴(カルテ)利用促進が大きく阻害されるのではないかという懸念の発言があった。

9) 倫理問題検討委員会
三浦委員長より、「個人情報保護法改正に伴う疫学研究への影響とそれに伴う要望」を作成し、理事MLによる審議・承認を経て、本学会からの要望書として文科省・厚労省、総務省、個人情報保護委員会にそれぞれ提出したことが報告された。3つの法律について、提供側と受取り側それぞれの組み合わせ毎に、何が困るのかについて事例を示す必要がある。レセプトデータを用いた疫学研究のように、それら全ての組み合わせにまたがる事例もある。「病歴」の定義にレセプト病名が含まれるか否かという問題もある。個人情報保護委員会とは、玉腰先生が本学会の窓口として交渉にあたっている。

10) 利益相反(COI)委員会
安村委員長より、事務局を通じて役員・各種委員等にCOIの自己申告書提出依頼文を発送したこと、社会医学系6学会共通COIマネジメントポリシーについて最終確認中の1学会を除き了解または概ね了解であることが報告された。

11) 倫理審査委員会
東日本について、小橋委員長より、審査受付が2件あり、いずれも差し戻し再審査後承認となったことが報告された。西日本について、小笹委員長より、審査受付が0件であったことが報告された。

12) 学会連携推進委員会
曽根委員長より、今後の活動計画・活動案として、これまで実績のある抗加齢学会、循環器学会との共同シンポジウム等の継続開催、今年度の公衆衛生学会での教育講演、疫学に関心が高いが疫学会員が多くなさそうな臨床系大規模学会を新規開拓のターゲットにすることが報告された。また、学会等でのセミナー・講演のおける本学会のPR、各種学会・研究会に対する教育セミナー・講演の提案、連携先としてお勧めの本学会理事・代議員が積極的に関与している学会に対するアンケート調査について報告があった。

13) 将来構想検討委員会
玉腰委員長より、2年後に福島で開催される総会時を目標に活動を進めること、今年1月の米子での総会時に第1回会合を行ったこと、7月2日に名古屋で第2回会合を予定していることが報告された。

14) 疫学研究支援委員会
安田委員長より、疫学研究支援事業の方法と対象とする研究について、説明があった。理事から、元々は非学会員対象の疫学支援を目的としていたが、本来は学会員になれば良い話であり、個人の疫学支援から学会・研究会の支援を対象にするなど、対象や内規を見直す時期との意見があった。理事長より、今後、学会連携推進委員会と連絡を取り合い、方針を決めてほしいとの意見があった。

15) 広報委員会
中山委員長より、今年1月の米子での総会時に開催された委員会について報告があった。一般向け疫学紹介スライド3作品、疫学用語辞典、疫学用語の基礎知識をそれぞれホームページからダウンロード出来るようにした。ニュースレターNo.47を4月に発刊した。スライドコンテスト優秀作品にCC-ND-NCを付与したが、本質が変わっていなければ講義に使う場合多少の改変は可能とする。理事長から、今後一般向けの広報を強化して行きたいとのコメントがあった。今後の予定として、第2回スライドコンテストを5月~9月末で募集することが承認された。

16) 法人化定着委員会
嶽崎委員長より、旅費規程の草案を早々に作成する予定であること、日本公衆衛生学会時に委員会を開催する予定であるとの報告があった。監事より、監事監査規程を作成してほしいとの要望があった。


3. 第26回日本疫学会学術総会の報告
黒沢前学会長に代わり、磯理事長より、全体の概要、第23回疫学セミナー、懇親会について報告があった。口演45題、示説262題、参加者数610人で、懇親会も168人と参加者が非常に多かった。収支は345,250円の黒字となり、全額学会に返納いただいた。

4. 第27日本疫学会学術総会準備状況について
山縣次期学会長に代わり、磯理事長より、前回までの報告に加え、演題募集期間、学会参加費、予算案、日程案、関連行事等について報告があった。

5. 第28回日本疫学会学術総会準備状況について
安村次々期学会長より、日時(2018年2月1日~3日)、会場(コラッセふくしま)について報告があった。


以上
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