2015年度第2回日本疫学会理事会 議事録
日時 2015年(平成27年)4月30日(木)13:30-16:30
場所 大阪大学 医学・工学研究科 東京ブランチ
〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町4-4-20 三井第二別館9階
TEL 03-5204-1018(代表)
出席者 (順不同、敬称略):磯博康、辻一郎、安村誠司、萱場一則、中村好一、川上憲人、津金昌一郎、浜島信之、祖父江友孝、黒沢洋一、郡山千早、田中恵太郎、曽根博仁、玉腰暁子、新田裕史、三浦克之
委任状出席者:山縣然太朗、山口直人、橋本修二、中山健夫、溝上哲也、西信雄
JE編集委員会:(委員長)井上真奈美
学会事務局:今野弘規、西野雅子

理事会に先立ち、磯理事長より、委任状提出者を含めて理事・監事全員の出席により理事会が成立していることが確認された。


<協議事項>
1.2015年度第1回日本疫学会理事会議事録(案)について報告があり、承認された。
2.2015年度日本疫学会評議員会議事録(案)および2015年度日本疫学会会務総会議事録(案)について報告があり、承認された。
3.理事長から下記の提案と報告があった。
報告
日本循環器学会・日本疫学会ジョイントセミナー「臨床医の疫学セミナー」(2015年4月26日)は、参加者108名と好評で、翌日学会入会者もあった。今後、大きな臨床学会でセミナーやジョイントシンポジウムを行っていくのが良いと思うので、お勧めの学会があれば事務局まで。
禁煙推進学術ネットワーク担当委員を片野田先生(国立がん研究センター)に委嘱した。「ニコチン依存症管理料」の算定要件等の見直しに関する要望書に参加した。脳心血管病予防に関する包括的リスク管理チャート2015作成に協力した。事務局・編集事務局補助職員1名を採用(週12時間程度)した。
提案
・トラベルグラントの募集・応募に関して、学会本体のホームページに英語の案内を入れ、学術総会のホームページとリンクするという提案があり、承認された。
・名誉会員の学会参加費を無料とすることが提案され、承認された。
・日本医学会連合役員候補者選出の手順について、各18学会から候補者を出してオープンな形で行う方針となり、日本疫学会として推薦する候補者の人選について、提案があった。理事・監事の意見を集約して、各役員について得票数上位3位までに絞り、上位の先生から順に、磯理事長より立候補の意向を確認することで承認された。
・社会医学領域の専門医制度の確立に関して、各学会の強い分野についてカリキュラムや研修体制を供給していく必要があり、本学会で検討中の専門家養成と一部重なってくるが、今後厚生労働省の研究班が出来る可能性もあり、学会として協力していきたいとの提案があり、了承された。6月頃機構に提案をして議論していくことになる。人材像・活躍する領域等について意見がほしい。専門医制度の20番目の領域として推し、駄目なら独立したものにするという2段構えで進める。社会医学領域の専門医についてはダブルライセンスが可能なように検討してほしいとの意見があった。本学会の疫学専門家はそのまま検討を進めてもらい、社会医学領域専門医の2階立ての2階部分については各学会で考えてもらう。機構に専門医と認められることは、将来的にはメリットがあると思う。
・一般社団法人日本疫学会の規程(案)について、休会の規程(案)・休会届の案が示され、休会が終わったら会費を納入すること、休会中はJEに筆頭著者、Corresponding Authorとして投稿出来ないことを明記すべき、との意見があった。
・職員・役員に関する各種規程(案)が示された。今後理事メール等により意見をうかがい次回の理事会で詰めていく。

<報告事項>
1.今野事務局長より、学会事務局活動報告と庶務報告が行われた
1)学会事務局活動
会費請求(コンビニ払い導入)・入金処理、会計、各種会員対応、入会・退会手続き、疫学会通信の発行、ホームページの更新、委員会活動の支援(JE編集委員会、広報委員会、COI委員会、選挙管理委員会)、理事会活動の支援、他学会総会での広報活動(チラシ配布、ポスター掲示等)、関連団体への対応
2)庶務報告
・会員数(2015年4月1日現在 名誉会員:31名、評議員:172名、普通会員:1,586名(合計:1,789名 普通会員のうち2015年入会学生会員:17名)
・年会費納入状況(2014年4月22日現在 2015年度会費の納入義務のある会員:1,741名、2015年度までの会費納入完了者:1,075名、61%)、2年以上の滞納者: 62名
・学術総会の開催時期等に関するアンケート調査回答
・後援名義使用依頼(日本脳卒中学会総会「広島宣言」)
2.各委員会報告
1)Journal of Epidemiology 編集委員会
井上編集委員長より、下記の報告があった。
投稿数が大幅増加し、編集委員を10名増員した。科研費が採択された(5年間)。理事長より、この1年間の実績が評価された結果であるとのコメントがあった。外国人AEを追加したが、さらに増員したい意向。外国人AEを2016年日本疫学会総会へ招待する予定。発行予定の特集号について、現段階の執筆者候補が示された。それに関して合同編集委員会の開催について相談したいとのコメントが理事長よりあった。国際情報発信機能の実績にもなるので、世界に発信できるシンポジウムの企画に関する提案依頼があった。J-Stage側の問題でpubmedで検索出来ない期間が生じた。それについて、理事長より、日本循環器学会と連盟でクレームを出し、先方より正式に謝罪があったと報告があった。さらに、J-Stagesは予定していたCLOCKSSへの参加を取りやめたことについて報告が無く、予定通り進まない事態となったことから、商業出版社での発行を検討開始すべく情報収集を行っている。それについて、理事長より今後経費についての議論が必要とのコメントがあった。
2)学術委員会
萱場委員長より、今年8月29日開催予定の日本疫学会サマーセミナー2015の概要、来年1月の学術総会学術委員会企画シンポジウムについて報告があった。サマーセミナーでは臨床における記述疫学をテーマに準備を進めており、これまで同様主要な臨床学会にPRしていく。学術委員会企画シンポジウムは、疫学教育に関する企画について準備を進めている。
3)広報委員会
津金委員長より、ニュースレター45号の発行(4/15)と、46号の準備状況について報告があった。また、疫学方法論・用語解説、疫学紹介スライドについて、中山委員を中心にして進行中であるとの報告があった。
4)選挙管理委員会
委任状欠席の中山委員長に代わって三浦委員より、林朝茂委員長が辞退し、中山先生が委員長、西先生が委員になったこと、代議員立候補もオンラインで行うこと、オンライン投票の開票方法、これまでの活動と今後のスケジュールが報告された。会費納入者の率が61%(4月22日)と低いので、選挙権有資格者の会費納入期限の要件を5月31日に延長することが提案され、承認された(被選挙権有資格者の会費納入期限は従来通り4月30日まで)。代議員選挙の立候補者名告示は6月中旬、投票期間は6月中旬~下旬、開票日は6月末の予定。理事選挙の告示および立候補受付は7月、立候補者名告示は8月の予定。監事選挙の推薦受付は7月、候補者名告示、投票は8月の予定。代表理事(理事長)の選挙告示は9月の予定。理事長は選挙の公平性、透明性に疑義を抱かせる言動は行わないようにとの発言があった。選挙に関する情報は、選挙管理委員会と事務局でしっかりと管理する。代議員の投票は、一人当たり定数まで投票出来る。定数は選挙権有資格者の数で決まるので、会費納入期限後の6月になって決定する。
5)法人化準備委員会
祖父江委員長より、一般社団法人の設立についての法改正(2月27日付)について報告があり、設立社員を兼務しない理事・監事も、印鑑証明書あるいは住所を証する書面のいずれかが必要。
6)選挙規定検討委員会
川上委員長より、法人化にあたっての選挙制度について必要に応じて検討を加えることが報告された。
7)疫学専門家養成検討委員会
田中委員長より、2013年度、2014年度の活動報告と、2015年度の活動予定について報告があった。最終年度となる2015年度は一般会員へのアンケート、学術総会シンポジウムでのディスカッションを行い、全体としての制度案を確定したい。代議員の期間も疫学専門家の要件に入れてよいのではとの提案があった。
8)国際交流委員会
浜島委員長より、第8回日韓疫学セミナーおよび日韓ビジネスミーティングが第25回日本疫学会学術総会時(2015年1月23日)に開催されたことが報告された。IJPC-SEにAssociate member として参加する(担当者・磯理事長、補助・浜島)。日台疫学セミナーのオファーがあったことが報告され、承認された。今後、案を韓国、台湾に提示する。最初から3か国合同の開催は難しいが、2年後には台湾をオブザーバーとして呼ぶことは可能。
9)国際疫学会準備委員会
中村委員長より、第21回 国際疫学会総会(2017年 さいたま)のランチョン、共催シンポジウム、モーニングセミナー、寄付(税制優遇措置あり)等の資金集めへの協力依頼があった。循環器病学会や糖尿病学会など、コネクションが強い学会はランチョンやセミナーも可能との意見があった。参加者に臨床の人が増えるようなプログラム構成をして製薬メーカーが参加しやすいようにした方がよい、Win-Winの関係にどう持っていくかが課題との意見があった。
10)統計利用促進委員会
報告無し。 策定中。
11)倫理問題検討委員会
安村委員長より、日本疫学会におけるCOI指針・細則の策定に関わったとの報告があった。
12)利益相反(COI)委員会
玉腰委員長より、以下の報告があった。COI委員会を開催した(2015年1月23日)。疫学会COI指針・細則は今後総会で承認を得ることが望ましい。申告書の1年の区切りを明確にし、年単位で2月か3月に書類提出依頼というのがわかりやすい。役員・委員等93名からCOI自己申告書を収集・確認し、問題ないと判断した。社会医学6学会共通利益相反マネジメントポリシー(案)について報告があり、一部文言が修正され承認された。公衆衛生学会総会頃を目途に、各学会すべての理事会承認を得て発効の予定。国や自治体などからの公的研究費がCOI申告事項か否かについて議論があった。論文との整合性からも、COI申告事項には該当しないが、学会発表でも研究費の出処を明示する方針で承認された。
13)倫理審査委員会
磯理事長より、 2015年1月に本委員会への倫理申請が1件あり、審査、再審査を経て、2015年3月3日に承認したと報告があった。
14)疫学研究支援委員会
委任状出席の橋本委員長に代わって中村委員より、前回の理事会以降、支援の実績は無いとの報告があった。
3.第25回日本疫学会学術総会の報告
浜島学会長より、第25回日本疫学会学術総会の概要、第22回疫学セミナー、第20回疫学の未来を語る若手の集い、懇親会、収支決算について報告があった。
4.第26回日本疫学会学術総会準備状況
黒沢次期学会長より、2016年1月21~23日に米子ビックシップで開催予定の学術総会の概要について説明があった。法人化後初となる総会は1時間枠を設けた。演題数は300~350題程度を考えている。磯理事長よりトラベルグラントの企画をぜひ盛り込んでほしいとの要望があり、実施予定との説明があった。JEの外国人AEを招待する。ポスター賞、優秀演題賞も行う。
以上
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