2010年度第2回日本疫学会理事会 議事録
日時2010年(平成22年)4月17日(土)13:00-16:00
場所順天堂大学8号館621号室
出席者(順不同、敬称略):秋葉澄伯、辻一郎、中村好一、山縣然太朗、三浦宜彦、 祖父江友孝、津金昌一郎、丸井英二、浜島信之、橋本修二、磯博康、中山健夫、 黒沢洋一、田中恵太郎、森満、新田裕史、田中英夫、北村明彦、 深尾彰*、永田知里*、西信雄* 
*委任出席者
欠席者(敬称略)溝上哲也、山口直人

理事会に先立ち、秋葉理事長より、委任状提出者を含めて理事の過半数の出席により理事会が成立していることが確認された。


<協議事項>
1. 2010年度第1回日本疫学会理事会議事録(案)が報告され、<協議事項>6-10)の臨時委員会の記載内容について「統計利用促進委員会は委員会としては存続しないが」を「統計利用促進委員会は存続し」に修正することを確認した。
2. 役員などの体制について、下記の通り承認された。
1) 名誉会員・功労賞受賞者推薦担当理事(理事3名):
三浦 理事(責任者)、橋本 理事、山縣 理事
理事長より、名誉会員推薦資格について現在の細則で適切であるかどうかを検討して頂きたいとの提案があり、次回の理事会で報告することとした。
2) ニュースレター編集委員会(委員長や委員数に関する制限はない):
津金理事(責任者)
編集委員(カッコ内は編集委員長を担当する時期)
北村 理事(2010年前半)、黒沢 理事(2010年後半)、永田 理事(2011年前半)、
新田 理事(2011年後半)、田中(英)理事 (2012年前半)、山縣 理事(2012年後半)
3) 奨励賞選考委員会(理事5名):
田中(恵)委員長、 深尾 理事、津金 理事、永田 理事、黒沢 理事
来年度以降は、選考委員の拡充なども含めた委員会の構成について検討を進めることとした。
4) 国際交流委員会 (3名、規則なし):
中村 委員長、斉藤重幸 評議員、岡山明 評議員
国際交流委員会に関する規則が定められていないので、国際交流委員会で同委員会規則制定の必要性を検討し、次回の理事会で報告することになった。
5) 倫理問題検討委員会(若干名、委員長は理事から指名):
山縣 委員長、黒沢 理事、竹下達也 評議員、田中(恵)理事、玉腰暁子 評議員、武藤香織 会員
6) 選挙管理委員会委員:
次回以降の理事会で決定
7) 広報委員会委員:
津金委員長、ニュースレター編集委員が兼務
これまでは臨時委員会であったが、将来構想検討委員会の報告書には広報委員会を設置することにより、社会貢献・社会へのアピールを強化することが提言されていること、今後は他学会との連携や学会発展のためにも広報委員会の役割がさらに重要となることから、常置委員会とすることが提案され、承認された。また、広報委員会で同委員会の役割や規則等について検討し、次回の理事会にて報告することとなった。
備考
倫理審査委員会 東日本:山口直人 評議員、西日本:竹下達也 評議員(いずれも任期はH24.1月まで)
8)名誉会員、奨励賞・功労賞受賞者推薦の日程について、以下の手順を確認した。
①奨励賞推薦
1.奨励賞推薦の案内を4月のニュースレターに掲載、また、5月上旬に疫学会通信で案内
2.奨励賞推薦書の提出期間は5月1日から6月30日
3.締め切り後、事務局から選考委員に推薦書のコピーを送付
4.委員会は候補者を決定し、8月31日までに理事長に報告
5.理事長は選考結果を理事会(10月)に諮り、受賞者を決定
6.選考結果を受賞者と推薦者に文書で報告(落選の場合にも)
7.翌年1月の評議員会、会務総会で報告および授賞式
②功労賞推薦
1.委員会が候補者の選考を行い、8月31日までに理事長に報告
2.理事長は選考結果を理事会(10月)に諮り、受賞者を決定
3.理事会での決定をご本人に文書で通知
4.翌年1月の評議員会、会務総会で報告および授賞式
③名誉会員推薦
1.5月頃に事務局から委員会へ70歳以上の会員リストを提出
2.委員会が、名誉会員に該当する会員であるかどうかを選考し、その結果を7月末までに事務局に提出
3.事務局から、ご本人に承諾の有無を確認
4.了解が得られれば、書類作成(履歴書等)を行い、担当理事に回覧(署名と捺印)
5.結果を8月31日までに理事長へ報告
6.理事長は選考結果を理事会(10月)に諮り、決定
7.翌年1月の評議員会、会務総会で推薦
9)下記臨時委員会の存続が認められ、委員長と委員について下記の通り承認された。
①学術委員会:
山縣委員長、伊木雅之 評議員、大山卓昭 会員、尾島俊之 評議員、田中(英)理事、西 監事、新田 理事、三浦克之 評議員
②疫学研究支援委員会:
中村委員長、辻 理事、斉藤重幸 評議員
③統計利用促進委員会:
祖父江委員長、辻理事、中村理事、橋本理事、山縣理事、味木和喜子 評議員
10)以下の臨時委員会等の新設が理事長より提案され、承認された。
①選挙規定検討委員会:
丸井 委員長、新田 理事、松木秀明 評議員、島茂 評議員
理事・理事長選挙の選挙規定について、現行の方法の見直しと今後の方法を検討することとなった。
②疫学専門家養成検討委員会:
黒沢委員長
今後、委員長が他の委員を選考し、疫学専門家養成の必要性および公衆衛生専門家との兼ね合いも含めて、検討することとなった。特に大型研究においては疫学者を含むことを条件とする場合が多く潜在的需要は高い可能性があるとの意見も出された。
③20周年記念事業実施委員会:
深尾委員長
委員の選考は委員長に一任することとし、
(ア) 2011年の学術総会期間中にシンポジウム
(イ) 2011年の学術総会で祝賀会(学術総会の懇親会と兼ねる)
(ウ) JE supplementの発刊
 を実施することを確認した。JE supplementの執筆者や原稿の内容については、今後、理事ML等で意見交換を行い、実施委員会を中心に検討することとした。出版の費用は特別会計から200万円を上限として支出することが提案され、承認された。
④疫学セミナーに関するWG:
中山庶務担当理事のもとにワーキンググループを設置
1-2年を目途に疫学セミナーの方向性やあり方を検討することとなった。WGには、西監事と郡山事務局長を加えることが提案され、承認された。
11)以下の委員会は廃止が提案され、承認された。
①将来構想検討委員会(臨時委員会)
②人類遺伝学会Research Medical Coordinator 委員会(臨時委員会)
12)日本医学会の評議員・委員に下記の者が推薦され、承認された。(任期はいずれも平成22年4月1日~平成24年3月31日)
評議員:児玉和紀前理事長
連絡委員:中村理事
医学用語委員:中山理事
医学用語代委員:星佳芳 会員
3. JE編集委員会からの報告と懸案事項について
1) 2008年にオンライン投稿を導入して以来、順調に投稿数が増えてきていたが、掲載料を徴収することとなった2010年4月1日以降の投稿数がかなり減少していることが報告された。
2) JEでも国内で開催される関連の国際学会・シンポジウム等を中心として開催案内を掲載することの報告があった。
3) JEのオンラインジャーナルを提供しているJ-STAGEから、海外への普及促進を目的とした新たな取り組みに関する報告があったこと、国際誌のデータベースを提供しているEBSCO社からJE登録の申し出(疫学会からの経済的負担はなし)があったことが報告された。
4) 海外編集委員について、1名を除く他のすべての候補者からは承諾が得られたことが報告された。
5) 別刷りの基本料金について、原稿の料金は印刷に係る実費しか徴収しておらず、振り込みなどの手数料などは疫学会の負担となっていることから、手数料等を含めた金額を請求することが提案された。協議の結果、以下の案が承認された。
① 国内からの投稿:現在の基本料金の1.5倍
② 海外からの投稿(クレジットカード支払い):①+5,000円(送料)
③ 海外からの投稿(銀行振り込み):②+4,000円(銀行振り込み手数料)
6) Supplementの出版について協議の結果、以下の案が承認された。
① 査読については、guest editorのみならずJE編集委員もある程度関わっているが、JE編集委員の役割・責任を明確にする。
② 出版に係る費用は、印刷代(実費)+掲載料(5,000円/ページ)を徴収する。
7) 将来、JEの印刷部数を減らすことを考えた場合に、オンラインジャーナルの充実を図る必要性があり、これまで複数の業者からの見積り内容を検討した経緯が説明されたが、オンラインジャーナルの充実は経済的に困難であることなどから、当分は現行の形式を維持することとなった。
8) JE編集委員の交代について
大久保編集委員の異動の結果、三浦克之編集委員と同じ所属となったため、祖父江編集委員長が三浦編集委員と協議した結果、三浦克之先生(2001年11月に編集委員に就任)が委員在任期間が長期間に及んでいることなどの理由で委員退任を申し出られた。後任補充と感染症分野の編集委員の補充のため、新たに循環器疾患領域の担当として磯 博康先生、感染症領域の担当として小林 宜道先生が新編集委員として推薦され、承認された。
なお、他の編集委員も含めてすべての編集委員の任期は、現編集委員長の任期終了である2010年末までとすることが承認された。
また、編集委員の任期は原則2期6年、上限3期9年を目途とするとの申し合わせが承認された。
新規の編集委員推薦の際には、履歴書と主要論文(20編)の提出を求めることが承認された。
4. IEAのJoint Membershipについて中村理事から以下の説明があった。
1) 日本疫学会が登録すれば、日本疫学会の会員はJoint Memberとして、IEAの会員になることができる。
2) Joint Memberは、会費が安く、通常は55米ドルまたは35英ポンド/年のところが、20米ドルまたは 10英ポンド/年となる。
3) International Journal of Epidemiologyの冊子体は送られて来ないが、online accessが可能となる。

今後の具体的な手続きについては、中村理事が中心となり事務局が連携をとって進めることとなった。

5. 評議員名簿の学会HP上での公開について事務局から提案があり、会員名簿で所属先を公開していない評議員については本人の了解をとった上で、HP上に氏名と所属先を公開することが承認された。
6. 2010年度、2011年度の収支見通しについて事務局から説明がなされた。
7. 将来構想委員会報告書で提言されている懸案事項について
1) 学会事務局とJE編集委員会事務局の統合と機能恒常化
理事長から、現在の収支状況では、事務局の機能恒常化は困難であるとの説明がなされた。意見交換の上、会員の増加などによって収入を増やす努力の必要性を確認し、今後も引き続き検討する。
2) 広報委員会の任務
広報委員会で検討し、次回理事会で報告することとなった。
3) 若手研究者の確保と育成
疫学専門家養成検討委員会において“大学院における疫学教育のガイドライン”の検討を、学術委員会および疫学セミナーに関するWGにおいて“初心者および中級者向けの教育企画の実施”の検討を、広報委員会で“学会員の専門領域の明確化とウェブ上での公開”の検討を行う。
4) 疫学専門家資格認定
疫学専門家養成検討委員会において検討することとなった。
5) 疫学のレベルアップ
・がん・循環器疾患などの疾病登録の更なる充実と関連団体との連携について、統計利用促進委員会で今後の方向性と可能性について検討する。
・データアーカイブの設立については、費用がかかりすぎることから困難であるとすでに判断しており、当面の間は検討しないこととした。
・日本版National Death Indexについて、丸井理事より、すでに日本医学会の社会医学関連学会において検討中で、2010年6-7月頃に報告予定であるとの報告があり、疫学会としてはそちらと協力し、必要に応じて対応していくこととなった。日本医学会での進捗状況については、日本医学会連絡員である中村理事が、次回理事会で報告する予定である。
6) 学会HP、特にJEサイトの充実
現JE編集委員長の任期が2010年末であることから、JEサイトの充実に関しては、次期編集委員長のもとで検討して頂くこととした。
8. 次回理事会の開催時期と場所は、日本公衆衛生学会の会期にあわせ東京都内の予定であり、主な議題と報告事項は下記の予定である。
1)次期JE編集委員会委員
2)予算案
3)2013年の第23回日本疫学会学術総会会長
4)名誉会員・功労賞・奨励賞候補者
5)国際交流委員会など常置委員会の規則について

<報告事項>
1. 庶務報告
1)会員数(2010年3月31日現在)
名誉会員:26名 評議員:167名 普通会員:1,325名(合計:1,518名)
2)年会費納入状況(2010年3月31日現在)
2010年度会費納入の義務がある会員:1,492 名
2010年度までの会費納入完了者:754名(49.7%)
2年以上の滞納者:164名(11%)
2.理事長より、J-MICCでの検体の不適切な取り扱いに関する理事長見解に関しては、理事長見解発表の必要はないと判断したとの報告があった。
3.日本人類遺伝学会GMRCの講習会が2010年2月20日に開催され、疫学会からの参加者は4名であったとの報告があった。
4.若手の会の規約案について、名称に日本疫学会を入れるなど、いくつか修正が必要な箇所があるとの意見があり、中山庶務担当理事から若手の会代表者へ修正を依頼することとなった。
5.ニュースレター34号で児玉理事長(当時)からIEAの和訳を「国際疫学会」にしてはどうかとのご提案があったことから、国際交流委員長の中村理事より、今後、日本疫学会ではこの和訳を使うこととしたいとの報告があり、報告が異論なく承認された。
6.全国公衆衛生関連学協会連絡協議会について中山理事より、2010年の日本公衆衛生学会で関連のシンポジウムが開催されるとの報告があった。
7.第20回日本疫学会学術総会の概要と収支決算について三浦宣彦学会長より報告があり、参加者は学術総会563名、疫学セミナー170名、特別公開講座72名であった。
8.第21回日本疫学会学術総会のプログラム概要について森 満学会長から報告があった。次回は日本疫学会20周年記念講演会を予定していることからスケジュールがタイトであるため、日本疫学会学術委員会・理事会企画シンポジウムは行わないこととした。市民公開講座については、学会の社会貢献として有意義であり、今後の学術総会でも広報委員会と連携し、継続して開催してはどうかとの意見が出され、承認された。また、学術総会の組織委員会に学術委員長と広報委員長を加えて、連携を図ることを確認した。
9.第22回日本疫学会学術総会準備状況について下記の予定であることが報告された。
日程 2012年1月27日(金)~28日(土)
会場 学術総合センター(東京都千代田区)
10.中村理事より、疫学辞典の翻訳作業が終了したとの報告があった。
11.2017年World Congress of Epidemiologyの日本への招致活動を行うにあたり、開催時期や開催場所について検討・意見交換をMLで行うこととなった。
12.日本循環器病予防セミナー(2010年8月1日~5日 札幌)の開催について、会員への周知依頼があった。
13.評議員の継続については2011年10月の理事会で承認する必要があるため、2011年4月には各評議員に活動報告の提出を依頼することとし、学会HPでも周知する。
14.臨床分野との連携強化および臨床分野における新たな疫学研究支援ニーズの発掘のために、学会として組織的な活動が必要との意見が出され、学術研究委員会を中心に検討を行うこととなった。
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