2008年度第1回日本疫学会理事会 議事録
日時2008年(平成20年)1月24日 (木)18:00-20:00
場所順天堂大学9号館4階第1会議室
出席者(順不同、敬称略)児玉和紀、佐藤眞一、徳留信寛、中村好一、三浦宜彦、山縣然太朗、山口直人、丸井英二、田中恵太郎、津金昌一郎、黒沢洋一、辻一郎、浜島信之、祖父江友孝、岡山明、橋本修二、斎藤重幸、玉腰暁子、中山健夫*、岸玲子*、秋葉澄伯*
*)委任出席者
オブザーバー(順不同、敬称略)中川秀昭、田島和雄、山路義生
欠席者(順不同、敬称略)深尾彰、大井田隆

<協議事項>
1. 2007年度第3回日本疫学会理事会議事録が承認された。
2. 2007年度事業が事務局から報告され承認された。
1) 第17回日本疫学会学術総会、第14回JEA疫学セミナー
2007年1月(児玉和紀 学会長)「疾病予防・健康増進の実践と疫学」 学術総会 493名参加、疫学セミナー 135名参加
2) 将来構想検討委員会
3) 会誌Journal of Epidemiology Vol.17(1)-(6)の刊行
4) ニュースレター第29号、第30号の刊行
5) 日本疫学会奨励賞受賞者(順不同、敬称略)
若井建志(名古屋大学大学院医学系研究科)
西信雄(財団法人 放射線影響研究所)
6) 疫学の未来を語る若手の会
第12回疫学の未来を語る若手の集い (2007年1月25日 広島市南区民文化センター 3階大会議室)
7) 国際交流委員会
2007年度日韓疫学セミナー(ソウル)
8) 日本疫学会倫理審査委員会
審査件数3件(結果:承認2件、審査中1件)
3. 2007年度決算が事務局から報告された。次いで監査結果が玉腰監事から報告され、承認された。玉腰監事から普通預金に多額の繰越金があるので、今後検討が必要であることが指摘された。また、疫学の未来を語る若手の会とニュースレター編集委員会からも今後は決算報告をして頂くようにとの意見が出され、承認された。そしてさらに会員に還元して行く方向で承認された。
4. 2008年度事業計画(案)が提出され、承認された。
1) 第18回日本疫学会学術総会、第15回JEA疫学セミナー、本部企画
2) Journal of Epidemiology
①Vol.18(1)-(6)の刊行
②英文校正導入
③オンライン投稿システム導入検討
3)ニュースレター第31号、第32号の刊行
4)日本疫学会功労賞・名誉会員
5)日本疫学会奨励賞
6)疫学の未来を語る若手の会
7)国際交流委員会
8)倫理問題検討委員会
9)日本疫学会倫理審査委員会
10)将来構想検討委員会の継続ならびに臨時委員会(統計利用促進委員会、疫学研究支援委員会、広報委員会、学術委員会)の新設について。理事長より4つの臨時委員会の委員長が推薦され、承認された。
・統計利用促進委員会-辻一郎理事
・疫学研究支援委員会-中村好一理事
・広報委員会-岡山明理事
・学術委員会-中山健夫理事
11)学会会員名簿作成
5. 2008年度予算(案)が事務局から提出され、承認された。
  【提案内容】
支出
《事業費》〔JE編集委員会〕英文校正費として70万円を計上。オンライン投稿システムを導入する場合は予備費から支出する。
《事業費》〔将来構想検討委員会〕に120万円、〔新設臨時委員会〕に80万円を計上。
《事業費》〔総会補助費〕第18回学術総会について50万円を限度に増額(収支決算をみて額を決定する)。
《事業費》〔国際交流委員会〕9月にブラジルで行われる国際疫学会への旅費補助として100万円増額。
6. 徳留理事が定年により理事を退任され、後任理事として田島和雄評議員が承認された。
7. 徳留理事に代わる理事長代行としてから田島新理事が指名された。
8. 下記2名の評議員の推薦が承認された(順不同、敬称略)。
塚原太郎(自治医科大学地域医療学センター)
寶珠山務(産業医科大学産業生態科学研究所環境疫学)
9. 中村理事より評議員の任期、退任について以下の通り提案があり、承認された。
(1)評議員全員の任期を揃える。具体的には2009年1月の会務総会の日までとする。そのために、
(a)現在の評議員全員が2009年1月の会務総会の日を以て退任することを2008年1月の評議員会で確認する。
(b)2008年1月の会務総会で新たに評議員として承認を受ける会員の評議員としての任期は2009年1月の会務総会の日までとする。
(2)2008年9月末までに評議員全員に2009年1月の会務総会において評議員に再任される意思があるかどうかの確認を行う。再任の意思がある評議員は、文書により学会事務局にそのことを通知する。
(3)再任の申請があった評議員については、2008年10月の理事会、2009年1月の評議員会で推薦するか否かの審議を行い、2009年1月の会務総会で承認する。任期は2012年1月の会務総会の日までとする。
(4)2010年以降の会務総会で承認される新評議員は、任期を2012年1月の会務総会の日までとして承認する。
(5)2011年に次の再任の手続きをとるが、その際には再任の申請書に過去3年間の学会評議員・会員としての活動歴報告書を添付するものとする。

<報告事項>
1. 庶務報告(事務局)【「庶務報告」】
2. 各委員会報告
1) 将来構想検討委員会【将来構想検討委員会】
辻理事より将来構想検討委員会について以下の通り提案があり、承認された。
(1)若手研究者の確保とスキルアップを図ること
 多くの若手が疫学研究に参加して、幅広い分野で活躍できるようになることが、疫学研究の発展の前提条件である。その実現にむけて、① 大学院教育や学会・関連団体のセミナーの充実を図る、② ポストを拡充するとともに流動性を高める、③ 日本疫学会「若手の会」活動をさらに充実させるとともに学会運営への関与の機会を拡げるべきである。
(2)疫学研究の調査環境を改善すること
 疫学研究が発展するためには、レベルの高いデータが必要であるとともに、そのデータができる限りオープンになっていること(簡単な手続きで研究者が利用可能)が求められる。その実現にむけて、① 政府統計の利活用の促進(とくに人口動態死亡統計では日本版National Death Indexの創設)にむけた調査研究と提言を行う、② データ・アーカイブ(調査研究データを寄託して、学術目的での利活用をオープンにするための組織)の設立に向けた調査研究と提言を行う、③ これらを集中的に行うために、日本疫学会のなかに統計利用促進委員会を設置するべきである。
(3)臨床分野との連携を強化すること
 エビデンス重視のなかで臨床研究に対する期待は強まっている。そこで、臨床研究と日本疫学会員との連携を強化する必要がある。その実現に向けて、① 日本疫学会員と臨床研究との関わりについて調査を実施して、その課題と今後の方向性を検討する、② 疫学研究を企画している臨床研究者などを支援する(臨床研究者などからの申請を受けて、支援を行う疫学者を紹介する)ために、日本疫学会のなかに疫学研究支援委員会を設置するべきである。
(4)社会貢献・社会へのアピールを強化すること
 疫学研究は人々の健康と生命に直結する学問である。したがって疫学研究の成果を社会に還元することは、日本疫学会員の責務の1つである。そこで、日本疫学会のなかに広報委員会を設置して、① 健康に関わる社会問題が発生した際には必要に応じて声明などを発することを通じて、世論を適切な方向に誘導するとともに日本疫学会と疫学研究に対する社会的認知を高める、② 学術総会時には優れた演題などについて外部への広報活動を行うべきである。
(5)学会機能を強化すること
 上記の課題を果たすには、学会機能が十分に強化されなければならない。その実現に向けて、① 日本疫学会事務局と学会誌JE編集委員会事務局の双方を統合して、その機能を恒常化する、② 評議員の役割・利点を明確化するとともに再任手続きを適切に行うことにより、評議員会の機能を強化する、③ 学会誌JEのさらなるレベルアップ(投稿・掲載論文の倍増、Impact Factorのアップなど)に向けた取り組みを強化する、④ 日本疫学会のなかに学術委員会を設置して、学術総会に本部企画のプログラムを盛り込むなど、総会運営に積極的に関与するべきである。
2) Journal of Epidemiology編集委員会(中村前編集委員長・祖父江編集委員長)【「Journal of Epidemiology編集委員会」】
3) ニュースレター編集委員会(三浦担当理事)
現在第31号作成中で、4月15日頃会員に発送予定とのことが報告された。
4) 国際交流委員会(中村国際交流委員長)
2007年11月30日にソウルの延世大学にて日韓疫学セミナーに出席。
5) 倫理審査委員会(東日本:山口委員長、西日本:事務局)
西日本に1件審議中の案件があることが報告された。
3. 第18回日本疫学会学術総会準備状況が丸井学会長から報告された。
4. 第19回日本疫学会学術総会準備状況が中川次期学会長から下記の通り報告された。
日程:2009年1月23日(金)~24日(土)
場所:金沢市民文化ホール(金沢市高岡町15番1号)
テーマ:疫学研究から健康施策へ(仮)
事務局:金沢医科大学健康増進予防医学部門(公衆衛生学)(当面TEL:076-218-8093)
担当:西条旨子先生
5. 定年(満63歳)に伴う7名(順不同、敬称略)の評議員の退任について、事務局から報告された。
徳留信寛(名古屋市立大学大学院医学研究科)
箕輪眞澄(聖徳大学人文学部)
町田和彦(早稲田大学人間科学部)
勝野眞吾(兵庫教育大学)
吉澤浩司(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
片平洌彦(東洋大学社会学部)
二瓶直子(国立感染症研究所)
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